気ままに英語あそび

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These problems can take years off the operating life of the system. ってどんな意味?~take off その2~【句動詞表現#54】

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皆さん、こんばんは。ねこらいたーです (= ̄ω ̄=)

 

前回、take off+目的語をやると言いましたが、目的語が2つあるパターンを一通り先にやった方が、後から見やすいかなと思い直し、予定を変更しました。

 

 ※記事タイトルのヒント:上の画像から分かるように、このtake offはあまり良くない意味で使われています

 

 

 

初めての方へ

当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。

 

また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。

 

①:割り込み型

動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません

 

例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」

 

②:後置型

必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン

 

例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」

例2)get up to London「ロンドンに行く」

 

③:後置型

方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”後置型」としてあります。

 

例)put on weight 「体重が増える」

 

④:入れ替え可能型

文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン

 

例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」

 

⑤:不要型

いわゆる「自動詞+副詞」のパターンこのパターンでは、意味を成立させるのに的語を必要としません

 

例)break up「(関係・友情などが)終わる」

 

過去記事(【句動詞表現#2】)では、ムダに細かく考察しています。よろしければご覧ください。

 

 

takeとoffのコアイメージ / 用法1~4について

↓前回の記事を参照ください。

eigogakushu.hatenablog.jp

 

 

5.He was taken off the project.

意味:彼はそのプロジェクトから外された

目的語パターン:割り込み型(※能動態の場合)

 

語彙解説

このtake...off~は「(人)を(仕事・地位など)から外す」の意。受動態で用いられる場合も多いです。

 

意味の捉え方・覚え方

そのままでも理解できますが、一応いつものように第5文型で考えてみます。・・・とその前に、上記の見出し例文が受動態なので、まず能動態に直してみましょう。主語は何でもいいので、例えば、

 

The manager took him off the project.・・・(*)

「部長は彼をそのプロジェクトから外した」

 

としておきましょうか。

 

とすると、「部長が彼をそのプロジェクトから外す」という出来事は

 

①:部長が彼をつかむ

②:①の結果、彼はプロジェクトから離れる

 

という2段階に分解できます。

 

この際、"him off the project"の部分に主語述語関係が隠れていることに注意してください。方位詞offを生かしてこの関係を明確にするなら、(*)の英文は次のような感じになるでしょうか。

 

The manager made him get off the project by taking him.

※注1) by -ingは「~することによって」の意。このbyは手段・方法のby。

※注2) 「プロジェクトから離れる、外れる」という場合、leave the projectとかget out of the projectという方が普通でしょうが、 ”One more time and you're off the team.”(「次やったら、チームから外れてもらうぞ」)や”I'm afraid you're off the project.”(「残念だけど君にはプロジェクトから外れてもらう」)と言ったりもするので(以下の最初のリンクは後者の例) 、get off the projectという言い方はかなりマイナーかもしれませんがギリギリ許容範囲でしょう。実際、以下の2番目のリンク先では”The difference between the film I wanted to do and ho they wanted to do it was too great, so I had to get off the project.”という表現が出てきます。

www.subzin.com

 

www.polygon.com

 

 

6.These problems can take years off the operating life of the system.

意味:こういった問題はシステムの耐久年数を大幅に縮めてしまいかねない

目的語パターン:割り込み型 

 

語彙解説

記事タイトルはコレ。このtake...off~は「~を・・・の分だけ縮める」 という意のインフォーマル表現

 

canは「・・・する可能性がある」という意のいわゆる”可能性のcan”。また、yearsは「長年」、operating lifeは「耐久年数、稼働寿命」の意。

 

意味の捉え方・覚え方

とりあえず、これも第5文型で捉えてみましょう。

 

すると、「問題がシステムの耐久年数を大幅に縮める」というのは、

 

①:問題が長い年月を取る

②:①の結果、長い年月がシステムの耐久年数から分離する

 

という2段階に分けることができます。例えば、本来の耐久年数が10年で、とある問題によって奪われる可能性のある耐久年数が4年なら、残った耐久年数は6年しかなくなりますね。

 

さて、これも用法5と同様にして使役動詞を用いた文に”無理やり”言い換えるなら、以下のようになるでしょう。つまり、yearsという部分がthe operating life of the systemという全体からポロッと取れるようにさせるわけです。

 

These problems can make years come off the operating life of the system by taking them.  ・・・(**)

※注1) come off~「~から取れる、外れる、剥がれる」(例)A button came off my coat.「コートのボタンがとれた」

※注2) 「時間・長さなどが縮む」というのは、見出し例文6のように、縮む原因となるものを主語に据えて他動詞で表現するか、あるいは”My lifespan might have shortened by a few years.”のように「差のby」を使って自動詞で表すしかないので、(**)の英文に含まれているような”Years come off the operating life of the system.”という言い方は実際には使いませんのでご注意を。あくまでイメージを掴むための「架空の文」にすぎません

 

 

7. 11 people were taken off the ship by the police

意味:11人が警察によって船から救助されました

目的語パターン:割り込み型(※能動態の場合)

 

語彙解説

このtake...off~は「・・・を(船・山など)から救出する」の意。実例を見ると 受動態で用いられることが多いようです。

 

意味の捉え方・覚え方

受動態のままだと分かりにくいので、まず能動態に直してみます。

 

The police took 11 people off the ship.

 

すると、この「警察が11人を船から救助した」という出来事も次の2段階に分けることができます。

 

①:警察が11人を連れ立つ

②:①の結果、11人が船から離れる

 

このように、被災者を現場から離れさせるので、これが要するに「救助する」ということになるのです。

 

ついでに、使役動詞と似た働きをする動詞helpを用いて書き換えると以下のようになります。

 

The police helped 11 people get off the ship by taking them.

 

 

8.11 people were taken off by the police

意味:11人が警察によって救助された

目的語パターン:入れ替え可能型(※能動態の場合)

 

語彙解説

これは用法7のoff以下が省かれたバージョンで意味は「・・・を救助する」。これも受動態で用いられることが多いです。

 

能動態の場合、目的語と方位詞の位置は入れ替え可能なので、The police took 11 people off.またはThe police took off 11 people.とすることが一応可能ですが、Oxford Phrasal Verbs Dictionaryによれば後者のパターンはあまり使われないようです

 

意味の捉え方・覚え方

off以下の目的語が省略されているだけなので、用法7と基本的に同じ考え方で対処できます。

 

off以下が省かれているため、どこから救助されたのかは不明な文となりますが、文脈からその場所が分かる場合にはむしろこちらのパターンの方が用いられることになります。

 

 

編集後記

さて、いかがだったでしょうか。

 

今回で「take+目的語+off+目的語」のパターンを終わらせるつもりでしたが、なかなか進みませんね・・・。このパターンはあと3つほどありますが、これ以上やるとさすがに長いので次の記事にまわします。

 

次回もよければご覧ください。

 

 

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