気ままに英語あそび

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He can take off the President perfectly. ってどんな意味?~take off その6~【句動詞表現#58】

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皆さん、こんばんは。ねこらいたーです (= ̄ω ̄=)

 

今回も目的語が1つある場合のtake offを見ていきます。基本的な考え方は前回と同じですが、今回の記事タイトルにもなっている用法は一捻り必要です。

 

では、さっそく。

 

★記事タイトルのヒント:「何から」takeするのかではなく、「何を」takeするかがポイントです

 

 

 

初めての方へ

当ブログでは、句動詞で使われる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。

 

また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。

 

①:割り込み型

動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません

 

例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」

 

②:後置型

必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン

 

例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」

例2)get up to London「ロンドンに行く」

 

③:後置型

方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”後置型」としてあります。

 

例)put on weight 「体重が増える」

 

④:入れ替え可能型

文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン

 

例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」

 

⑤:不要型

いわゆる「自動詞+副詞」のパターンこのパターンでは、意味を成立させるのに的語を必要としません

 

例)break up「(関係・友情などが)終わる」

 

過去記事(【句動詞表現#2】)では、ムダにさらに細かく考察しています。よろしければご覧ください。

 

 

take off編 過去記事一覧

takeとoffのコアイメージ / 用法1~4について

↓ 以下の記事を参照ください。「take+目的語+off+目的語」パターン編①です。

eigogakushu.hatenablog.jp

 

用法5~8について

↓以下の記事を参照ください。「take+目的語+off+目的語」パターン編②です。

eigogakushu.hatenablog.jp

 

用法9~14について

↓以下の記事を参照ください。「take+目的語+off+目的語」パターン編③です。

eigogakushu.hatenablog.jp

 

用法15~16について

↓以下の記事をご覧ください。目的語が1つのパターン編その①です。

eigogakushu.hatenablog.jp

 

用法17~18について

↓以下の記事をご覧ください。目的語が1つのパターン編その②です。 

eigogakushu.hatenablog.jp

 

 

19. Josh took the man off to the hospital.

意味:ジョシュはその男性を病院に連れて行った

目的語パターン:入れ替え可能型 

 

語彙解説

このtake offは「・・・を(別の場所に)(無理やり)連れていく、持って行く」 の意。目的語の位置は方位詞と一応入れ替え可能ですが、Oxford Phrasal Verbs Dictionaryによれば「take+off+目的語」の語順はです。

 

また、上記の見出し例文のように、連れて行く場所を「to+場所」という形で示すのが普通なようです。行先が不明な場合はsomewhereなどで代用することになります。

 

意味の捉え方・覚え方

これは、皆さんよくご存知の「take+人・もの+to+場所」 というパターンによく似ていますから、意味の取り方の関してはほぼ問題ないでしょう。

 

しかし、意味が全く同じかというと、実は違います。というのも、こちらの「take+人・もの+off+to+場所」には「無理やり」というニュアンスが伴うからです。

 

この点に関してはコウビルドの記述がとても明確です(赤太字は引用者)。

 

If you take someone off, you make them go with you to a particular place, especially when they do not want to go there.

 

(出典:CCALD

 

 

動詞に使役のmakeが使われている所もヒントになりますね。

 

ところで、この「無理やり」のニュアンスはどこからきているのか気になるところですよね。

 

これは恐らく、take offの基本形である「take+目的語①+off+目的語②」が「~から・・・を取り去る取り除く」の意になるからなのでしょう。つまり、「人を去らせる」というニュアンスが基本形には含まれているわけです。

 

 

20.Their best striker was taken off after 30 minutes.

意味:そのチームのエース・ストライカーは30分後に退場となった

目的語パターン:入れ替え可能型(※能動態の場合)

※例文の出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary

 

語彙解説

このtake offは「(選手や俳優など)を退場させる」という意のイギリス英語。この意味になるのは、主にスポーツや舞台などエンターテイメント性のある場での発言です。

 

また、目的語の位置は一応入れ替え可能ですが、Oxford Phrasal Verbs Dictionaryによると「take+off+目的語」の語順はやや稀なようです。

 

意味の捉え方・覚え方

これは、用法19から派生したものと考えれば特に問題ないでしょう。「人を無理やり他の場所へ連れて行く」(用法19)ということは、「その場から離れさせる」(用法20)ということでもあるからです。

 

また、退場させるという表現には強制のニュアンスがありますが、ここも用法19と共通していますね。

 

以上のような認識を持っていれば覚えるには十分ですが、もしも前回と同様に、基本形である「take+目的語①+off+目的語②」に当てはめるならば、句動詞部分は次のようになるでしょう。

 

take their best striker off the field

 

これをコアイメージにしたがって訳せば、「エース・ストライカーを連れてフィールドから離れさせる」となります。これが要するに「エース・ストライカーを退場させる」ということです。

 

 

21.He can take off the President perfectly.

意味:彼は大統領の完璧なものまねができる

目的語パターン:入れ替え可能型 

 

語彙解説

今回の記事タイトルはコレ。このtake offは「(笑いをとるために)(人の仕草や話し方など)をものまねする」の意で、インフォーマルなイギリス英語です

 

意味の捉え方・覚え方

これに関しては、今までのように、基本形の「take+目的語①+off+目的語②」にただ当てはめるというやり方では分かりにくいです。というのも、この用法ではtake自体の意味がコアイメージから少し離れているからです。

 

どういうことかというと、実はこのtakeは「・・・を記録する、コピーする」の意味なんです(ちなみに、take a pictureのtakeもこの意味グループに入ります)。つまり、ものまねをするというのは、ある人の仕草などをコピーするということにほかならないわけです。

 

実際、take (a) copy of~(「~を複写する」)という形でも使いますよね。さらにいえば、take a copy off of~take a copy offいう言い方も実例はごく僅かですが存在します。

 

さて、ここまでの話から、実際には使わないとしても少なくとも意識の上では、基本形の「take+目的語①+off+目的語②」がやはり存在している、ということがいえそうですね。仮にこれが正しいとすれば、見出し例文中の句動詞部分は次のように補うことができるでしょう。

 

take copy off the President

 

もしこのまま訳すなら「大統領のコピーをとる」となりますが、これが「大統領のものまねする」という意味の原型と考えておけば覚えやすくなるはずです。

 

 

編集後記

いかがだったでしょうか。

 

今回で目的語を取るパターンつまり他動詞用法のtake offは終了です。次回は自動詞用法3つを扱う予定でいますが、それが終わればtake off編もやっと終わりになります・・・。

 

(皆さんもう飽きていると思いますが)よければ最後までお付き合い下さい。

 

では、また!

 

 

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