He had to bring the meeting forward to Thursday. ってどんな意味?【句動詞表現#46】
こんばんは、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)
今回も軽めなものを扱おうと思います。
記事タイトルの英文のヒントは、曜日が使われているところでしょうか。
では始めましょう。
- 初めての方へ
- bringとforwardのコアイメージは?
- 1.George brought his hands forward to show me that he had nothing in them.
- 2.Is it good to bring the clock forward 10 minutes?
- 3.He had to bring the meeting forward to Thursday.
- 4.The balance brought forward is £21,765.
- 編集後記
初めての方へ
当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。
また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。
①:割り込み型
動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません。
例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」
②:後置型
必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン
例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」
例2)get up to London「ロンドンに行く」
③:準後置型
方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”準”後置型」としてあります。
例)put on weight 「体重が増える」
④:入れ替え可能型
文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン
例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」
⑤:不要型
いわゆる「自動詞+副詞」のパターン。このパターンでは、意味を成立させるのに目的語を必要としません。
例)break up「(関係・友情などが)終わる」
【句動詞表現#2】では、ムダに細かく考察しています。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
bringとforwardのコアイメージは?
bringのコアイメージ
bringのコアイメージは「意識の中心へ移動させる」です。意識の中心というのは、話者や聞き手がいる場所あるいは話題にしている場所のことを指します。
以前【句動詞表現#36】などで扱ったcomeのコアイメージが「意識の中心に近づく」であることを思い出してください。
実はこのbringはcomeの意味をちょうど他動詞化した意味になっているんです。この点は以下のような表現でも確認できます。
例1)~ come home to 人
「~が(人)に痛烈に感じられる」
⇒ bring ~ home to 人
「~を(人)に痛烈に感じさせる」
例2)~ come into being
「~が生じる」
⇒ bring ~ into being
「~を生じさせる」
例3)~ come out
「~が明らかになる」
⇒ bring ~ out
「~を明らかにする」
forwardのコアイメージ
forwardのコアイメージは「前に向かって」です。
このようなコアイメージになるのは、for(「前へ」) +ward(「~に向かって」)という成り立ちによるものですね。以下も同じような成り立ちなので、まとめて確認しておきましょう。
◎upward(「上に向かって」)
・・・ up+ward
◎downward(「下に向かって」)
・・・ down+ward
◎afterward(「あとで;その後」)
・・・ after+ward
◎toward(「~に向かって」)
・・・ to+ward
◎backward(「後ろに向かって」)
・・・ back+ward
さて、forwardの根本は「空間的に前に向かって」ですが、ここから「時間的に前に向かって」つまり「将来に向かって」という意味も派生します。例えば、set the clock forward 5 minutesであれば「時計を5分進める」という意になりますね。
ところが「予定」という観点に立つと、「予定・日程などを前倒しにして」取り組むということになります。時計を進めるときと同じイメージだと「予定を先延ばしにする」の意味になりそうな気もするのですが、実際にはそういった意味ではないので要注意です。
予定とは行う順番の決まった事柄ともいえるので、「予定を前倒しにする」というのはその順番を早めに先に進めることに等しいと理解しておけばOKでしょう。このように考えれば同じイメージで理解できます(以下の図を参照)。
なお、このforwardは【句動詞表現#38】などでも言及しましたように、副詞用法しかない方位詞です。つまり前置詞用法はありません。
1.George brought his hands forward to show me that he had nothing in them.
意味:ジョージは両手を出して、手には何も持っていないことを私に示した
目的語パターン: 入れ替え可能型
語彙解説
このbring forwardは「①・・・を眼前に出す ②(意見・提案・計画など)を(口頭で)提示する」 のうちの①の意味。そして、この①がbring forwardの根本の意味になります。
意味の捉え方・覚え方
①の意味は文字通り、何かを目の前に持ってくるということ。したがってこの意味では、
bring ... in front of somebody
と言い換えることもできますね。
また、誰かの目の前に出すものが意見書や提案であれば、物理的に目の前に出すという意味を超えて②の「提示する」という意味が出てきます。これには口頭での提示も含まれますので注意。
2.Is it good to bring the clock forward 10 minutes?
意味:時計を10分進めておくのは良いことですか?
目的語パターン: 入れ替え可能型
語彙解説
このbring forwardは「(時計)を進める、早める」の意。使用頻度は低めです。
一応目的語の位置は方位詞と入れ替え可能ですが、見出し例文のように進めておく時間を具体的に示している場合には、目的語の位置は方位詞の前で使うのが普通なようです。
また、次のようにbyを用いることもあります。いわゆる「差を表すby」ですね。むしろこちらが本来の形と推測されますが、この形はかなり稀です。
Is it good to bring the clock forward by 10 minutes?
意味の捉え方・覚え方
時計の針を先に進めることなので、ほぼ文字通りです。
3.He had to bring the meeting forward to Thursday.
意味:彼は会議の日程を木曜日に前倒しなければならなかった
目的語パターン:入れ替え可能型
語彙解説
これが記事タイトルで、ここでのbring forwardは「(予定・日程など)を前倒しする」の意。この意味用法はbring forwardの代表的意味です。
また、次のように受動態で用いられることも多いです。
例)The meeting had to be brought forward to Thursday.
「その会議は木曜日に前倒ししなければならない」
意味の捉え方・覚え方
forwardのコアイメージの箇所でも説明しましたが、予定とは行う順番の決まった事柄ともいえます。したがって「予定を前倒しにする」というのは、その順番を早めに先に進めることと理解しておけばOKでしょう。
4.The balance brought forward is £21,765.
意味:繰越残高は、£21,765となります
目的語パターン:入れ替え可能型 (ただし、見出し例文は受動態)
※例文の出典:LDCE
語彙解説
このbring forwardは「(合計額など)を次期あるいは次ページに繰り越す」の意で、簿記用語。この意味用法では、受動態として使われることが多いようです。
意味の捉え方・覚え方
とある金額を次期(または次ページ)、つまり「先に移動させる」ということなので、これもほぼ文字通りの意味です。
編集後記
いかがだったでしょうか。
今回の句動詞はかなり素直な意味ばかりなので、覚えやすくていいですね^^
では、また。
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