気ままに英語あそび

「なぜこういう英語表現になるの?」納得するまで気ままに考えたい! 効率重視の時代に逆行する英語学習ブログ

MENU

意外と知らない句動詞の事実って?(1)【句動詞表現#38】【英語学習のヒント#3】

アイキャッチ

皆さんこんにちは。

 

最近、句動詞関係のサイトのコメ欄を見て、まだまだ句動詞の認知度低いなぁと感じた、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)

 

今回は句動詞表現の解説はお休みにして、句動詞に関してあまり語られない事項に関しての考察を、複数回にわたってご紹介したいと思います。

 

では、さっそく。

 

※2019/01/03 「前置詞用法のない副詞」に関する記述を修正

 

 

 

 

1.そもそも句動詞って?~口語体と句動詞の関係~

句動詞とは、口語体の英語で頻出する動詞表現のことを言います。

 

口語体というのは「会話体」「くだけた言葉」「インフォーマル」とも言われますが、実は、実際に書くか話すかということとは全く別ものです。

 

というのは、口語体は日常会話はもちろん、メールやツイッターフェイスブックなどのSNS、他にはチャットなどでも用いられているからです。「メールやツイッターで話す」と表現することもありますが、実際には口を使って話しているのではなく、文字でやりとりしていますよね。

 

なお、口語体の逆は文語体(文章体)です。

 

口語体・文語体という用語が分かりにくい場合は、

 

口語体 ≒ くだけた言い方

文語体 ≒ 堅い言い方

 

と考えておけばOKだと思います。

 

以上のことから分かるのは、英語には大きく分けて以下の4つのタイプがあることです。

 

タイプ① 口語体の会話(日常会話など)

タイプ② 口語体の文章(メール、SNSやチャットなど)

タイプ③ 文語体の会話(演説など)

タイプ④ 文語体の文章(論文など)

 

始めに述べましたように句動詞は口語体でよく用いられるのでそれに該当するのはタイプ①とタイプ②ということになります。

 

 

2.句動詞の構造ってどういうもの?

句動詞の構造は、多くの場合、

 

パターン① 動詞+前置詞 

(例) get over ~, run into ~

 

パターン② 動詞+副詞 

(例) give up ~, make out ~

 

パターン③ 動詞+副詞+前置詞 

(例) keep up with ~, come across with ~

 

のいずれかの形式をとっています。もちろん例外はありますが、基本は上の3パターンです。

 

このように句動詞は2~3語で構成されている場合が多いため、複数の語が1つのカタマリかのように見えますよね。そこに注目して、かつては「群動詞」「複合動詞」などと呼ばれていました。

 

したがって、もし群動詞・複合動詞という用語を見かけたら、句動詞のことを言っているんだなぁと思ってください。

 

 

3.句動詞で使う副詞ってどういうもの?

さきほど挙げた句動詞3パターンのうち②と③においては副詞が使われるのですが、皆さんは「副詞」と言ったら、何を思い浮かべますか?

 

色々ありますよね。alwaysやnever、overやthereforeなどなど・・・。挙げればキリがありません。

 

実はこういった副詞は以下のように分類することができます。

 

a.程度を表す副詞

(例) very, enough, badly, extremely, almost, more, completely

 

b.様態を表す副詞

(例) carefully, beautifully, quietly, calmly, clearly, fast, quickly

 

c.場所・方向を表す副詞

(例) here, there, over, up, down, behind, away

 

d.時を表す副詞

(例) yesterday, now, soon, later, then, already, today

 

e.頻度を表す副詞

(例) always, usually, seldom, rarely, never, hardly, sometimes

 

f.文を修飾する副詞 

(例) maybe, perhaps, fortunately, finally, consequently, therefore, hopefully 

 

このうちで句動詞で用いられるのは基本的に「場所・方向を表す副詞」です。したがって、make always ~とかgive maybe~といったものはありませんので注意してください。

 

その中でも特に、前置詞用法のない副詞句動詞では基本的に使わないと覚えおけばOKだと思います。というのも、前置詞用法のない副詞の中で句動詞として用いるものは以下の10個しかないと考えられるからです。

 

aback abroad ahead apart away back forth forward(s) overboard together 

 

前置詞用法のないその他の副詞、例えばhereは「場所・方向を表す副詞」ですが前置詞用法は無く、句動詞でも使いません。

 

逆に、前置詞用法のある副詞は40個(!)ほどありますが、そのほとんどが「場所・方向」を表すものであるため、前置詞と副詞の両用法をもつ語は基本的に句動詞で用いられると考えてOKです。

 

実際、手元の辞書でざっと調べてみると、前置詞と副詞の両用法を持つ語のうち句動詞で用いられないものは次の6つほどしかないようです。

 

besides(「~のほかに」「その上」) 

but(「~を除いて」「非常に」) 

notwithstanding(「~にもかかわらず」「それにもかからわず」) 

per(「~につき」「それぞれ」) 

plus(「~に加えて」「その上」) 

since(「~以来」「それ以来」)

 

どれも「場所・方向」を表す語ではないことが確認できますね。

 

さて、話が細かくなってしまったので以上をまとめると、句動詞で使う副詞は基本的に、

 

前置詞用法も副詞用法も持つ語+前置詞用法のない副詞10コ(ahead, backなど)

 

ということができるでしょう。

 

これを覚える必要はありませんが、前置詞用法のない副詞である「ahead・apart・away・back・forth・forward(s)・together」などを覚えていると、目的語の位置を考えるときに便利です(この点に関しては次回以降の記事にてまた触れます)。

 

 なお、前置詞用法も副詞用法もある語については副詞用法のある前置詞一覧表【英文法#4】にてほぼ網羅した表を掲載していますので、よければご覧ください。

 

 

4.句動詞で使う前置詞ってどういうもの?

前置詞は「2.句動詞の構造ってどういうもの?」で挙げたパターン①とパターン③において用いられるのですが、こちらもどんなものが使われるのか見てみましょう。

 

前置詞用法も副詞用法も持つ語が句動詞で用いられるのは、上記の副詞の説明と同様です。

 

問題は前置詞用法しかないもの、つまり副詞用法のない前置詞が句動詞で用いられるのか、或いは、そもそもそんなものが存在するかという点ですよね。

 

存在するかどうかでいえば、副詞用法のない前置詞は「存在します」。そして、それらの中で句動詞として使われる前置詞は15個ほどあります(以下参照)。

 

against among at beneath beside for from into of onto than toward with within without 

 

この中で青字は、「一応副詞用法も存在するが、句動詞学習に限っては副詞用法がないと考えてOK」と思われるものを示しています。

 

ちなみに、副詞用法のない前置詞のうち、句動詞で使われない(※)のは次のような語です。

 

amid anti despite during minus till until via unless・・・など

 

※「句動詞で使われない」というのは、get over the fenceのoverやturn it offのoffのように動詞の直後で使わないという意味です。句動詞を含んだ固定表現では用いられる可能性もあります。

 

以上をまとめると、句動詞に使われる前置詞は基本的に

 

前置詞用法も副詞用法も持つ語+副詞用法がない前置詞15コ(against, amongなど)

 

ということができます。

 

 こちらについても、副詞用法のある前置詞一覧表【英文法#4】にて前置詞をほぼ網羅した表を掲載していますので、よければご覧ください。

 

 

 今回のまとめ

1.

句動詞を一言でいうと、口語体の会話(日常会話など)および口語体の文章(メール、SNSやチャットなど)でよく使われる動詞表現。

 

2.

句動詞の構造には、①「動詞+前置詞」、②「動詞+副詞」、③「動詞+副詞+前置詞」の主に3パターンある 

 

3.

 句動詞で使う副詞は基本的に、前置詞用法も副詞用法も持つ語+前置詞用法のない副詞10コ(ahead, backなど)

 

4.

句動詞に使われる前置詞は基本的に、前置詞用法も副詞用法も持つ語+副詞用法がない前置詞15コ(against, amongなど)

 

 

 

 

 

さて、いかがだったでしょうか。

 

ここまで見ましたように、句動詞では前置詞用法も副詞用法も持つ語がかなり多く使われています。

 

こうなると、「これは前置詞だから名詞を後ろに置きます」「これは副詞だから目的語の位置は2通りあります」という説明では通用しない場合が多く出てきますよね。

 

というのも、両方の用法を持つ語の場合、前置詞・副詞などと言う区別は結果論でしかないからです。

 

次回はこの辺りの事情からご紹介したいと思いますので、よければご覧ください。

 

ではまた。

 

 

 ↓皆様の応援が励みになります。もしよろしければクリックをお願いいたします

にほんブログ村 英語ブログへ