Alex gave off an impression that he didn't want to be bothered. ってどんな意味?【句動詞表現#49】
どうも、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)
今回のテーマは句動詞give off。表現としては分かりやすいと思うので、記事タイトルの英文に関してはノーヒントで。
では、始めます。
- 初めての方へ
- giveとoffのコアイメージは?
- 1.This mixture gives off hydrogen sulfide gas.
- 2.Alex gave off an impression that he didn't want to be bothered.
- 編集後記
初めての方へ
当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。
また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。
①:割り込み型
動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません。
例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」
②:後置型
必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン
例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」
例2)get up to London「ロンドンに行く」
③:準後置型
方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”準”後置型」としてあります。
例)put on weight 「体重が増える」
④:入れ替え可能型
文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン
例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」
⑤:不要型
いわゆる「自動詞+副詞」のパターン。このパターンでは、意味を成立させるのに目的語を必要としません。
例)break up「(関係・友情などが)終わる」
【句動詞表現#2】では、ムダに細かく考察しています。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
giveとoffのコアイメージは?
giveのコアイメージ(※一部改変)
giveのコアイメージは「自分のテリトリーから何かを出す」です。
このテリトリーというのは上図でいえば青の部分のことですが、これは【決まり文句#3】のhaveのコアイメージ(↓の図参照)で出てきた青の部分と同じと考えてOK。
というのは、give(「与える」)とは、元々have(「所有」)していたものの中から何かを手に取って自分のテリトリー外に出すということにほかならないからです。
offのコアイメージ(※再掲)
offのコアイメージは「離れて」です。
語源的には”of”から派生したということを知っておくと便利です。その証拠にofには「分離のof」(例: The man robbed John of his watch.)と言われるものがありますよね。同様にoffも「分離」の意味で用いられるので、その意味を引き継いでいると言えます。
例)He laid off 30 workers.
「彼は30人の労働者を一時解雇した」
さらに、電源が離れれば、それは電気が「切れる」(turn off)ことを表します。催しが開催という状態から途中で離れれば、それは「中止する」(call off)ことです。また、本来の予定から離れれば、それは「延期する」(put off)ことになります。
offは最終的に、何かが離れて行った結果として「完全に」分離するというイメージを持つようになります。これが「完全に、すっかり」(ex. pay off the debts)という完了の意味です。過去記事に出てきたup・out・overにもこの完了の意味がありましたね。併せて確認しておきましょう。
1.This mixture gives off hydrogen sulfide gas.
意味:この混合物からは硫化水素ガスが発生する
目的語パターン:準後置型
語彙解説
このgive offは「(光・熱・におい・煙など)を発する」の意で、この句動詞の代表的用法です。目的語が代名詞の時は割り込み型になるので注意。
例)This mixture gives it off.
「give off+目的語」という語順が普通なのは、用例2に見られるように目的語が長くなる傾向にあるからと推測されます。つまり、長いものは後ろに回すという英語の性質が現れているのでしょう。
なお、mixtureは「混合物」、hydrogen sulfideは「硫化水素」のこと。
意味の捉え方・覚え方
この句動詞は目的語の位置が準後置型なので方位詞offの後に目的語を置くのが普通ですが、基本的には入れ替え可能型の時と考え方は同じ。したがって、意味を捉えるにはSVOCの第5文型と見なすのが分かりやすいです。
いつものように、赤枠が結果を表しています。今回は「硫化水素ガスを出した結果、そのガスが混合物から分離する」という解釈です。offの後には主語であるthis mixtureが隠れていると考えるのがいいでしょう。
2.Alex gave off an impression that he didn't want to be bothered.
意味:アレックスは煩わされたくないといった雰囲気だった
目的語パターン:準後置型
語彙解説
これが記事タイトル。このgive offは「(印象・雰囲気など)を醸し出す」の意。目的語が代名詞の時に割り込み型になるのは用例1と同じ。
意味の捉え方・覚え方
これは明らかに用例1を比喩的に拡大解釈したものでしょう。というのは、この用法2で発せられている雰囲気などは本来は物質ではないものであり、そのようなものをニオイなどの物質かのように捉えたのがこの用法といえるからです。
他の用例
以下のように、前置詞句が続く例もあります。
He gives off an air of a cynic.
彼は皮肉屋の雰囲気を漂わせている
(出典:『オーレックス英和辞典』)
編集後記
いかがだったでしょうか。
今回の句動詞も割と分かりやすい意味だったと思います。
ところで、ちょっとしたお知らせがあります。
動詞と方位詞のコアイメージの箇所も読むとなると長くなるので、今後は
カッコ書きなし・・・新規の説明または全面的に書き直したもの
再掲・・・以前掲載したものと同一
一部改変・・・以前掲載したものを一部改変
と記載することにしました。おそらくこうした方が読み(飛ばし)やすいかと。
では、また。
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