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His dog is worrying at a bone. ってどんな意味? 【句動詞表現#52】

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皆さん、こんばんは。ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)

 

今回は一見変わった句動詞worry atを見てみようと思います。

 

※記事タイトルの英文のヒント:ふつう犬は骨でどういうことをするでしょうか?

 

 

 

初めての方へ

当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。詳しくはget upと言ったらその意味は?【句動詞表現#1】 を参照ください。

 

また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。

 

①:割り込み型

動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません

 

例)get my meaning across 「言いたいことを理解させる」

 

②:後置型

必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン

 

例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」

例2)get up to London「ロンドンに行く」

 

③:後置型

方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”後置型」としてあります。

 

例)put on weight 「体重が増える」

 

④:入れ替え可能型

文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン

 

例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」

 

⑤:不要型

いわゆる「自動詞+副詞」のパターンこのパターンでは、意味を成立させるのに的語を必要としません

 

例)break up「(関係・友情などが)終わる」

 

過去記事(これでスッキリ!?句動詞の目的語位置5パターン【句動詞表現#2】)では、さらに細かく考察しています。よろしければご覧ください。

 

 

worryとatのコアイメージは?

worryのコアイメージ

worry コアイメージ

worryのコアイメージ

 worryのコアイメージは「精神的苦痛を絶えず与える」です。

 

『英語語義語源辞典』によると、worryの語源は古英語のwyrganで、その意味はstrangle(「・・・を窒息させる、絞め殺す」)だったようです。そして、語源に詳しいetymonline.com によれば、そこから中英語期に「(犬などが)・・・を口にくわえて振り回して殺す、痛めつける」という意味に変化したとのこと(出典は以下のページ)。

 

www.etymonline.com

 

現在ではworryと言ったら「心配する」の意がまず思い浮かびますが、上記の経緯を踏まえると、worryは「物理的に苦痛を与える」という意味から「精神的に苦痛を与える」という意味へと変化したということができますね。

 

atのコアイメージ(※既出のものを一部改変)

at コアイメージ

atのコアイメージ

atのコアイメージは「点」。スナイパーが標的に狙いを定めている様子がイメージしやすいでしょう。

 

そしてこの「点」というイメージから、意識や感情が一点に集中しているというニュアンスも派生します。

 

例えば、aim at the targetといえば標的という一点に意識が集中し、get angry at himといえば彼という一点に感情が集中します。kick at the doorといえば、ドアという一点に意識を集中させて蹴るので「ドア目がけて蹴りかかる」となります。

 

 

1.His dog is worrying at a bone.

意味:彼の犬は、骨にじゃれついている

目的語パターン:後置型 

 

語彙解説

さっそくタイトル回収。このworry atは「(犬などが)・・・を噛んで引っ張ったり振り回したりする」の意。通例は進行形で用います。

 

意味の捉え方・覚え方

さきのworryのコアイメージの箇所で気づいた方もいるかもしれませんが、これは中英語期のworryの意味がほぼそのまま残ったものです。なので、覚え方としてはそのままで頭に入れてしまうのがいいのではないでしょうか。

 

ちなみに、古英語期のworryが「・・・を絞め殺す、窒息させる」という物騒な意味だったことから、ここでの「噛んで引っ張ったり振り回したりする」という意味用法は古い時代の暴力的な意味合いが薄まった用法といえますね。

 

他の表現との比較

実は、この意味はworryの他動詞用法にもあるのですが、worry atとの違いはどこにあるのでしょうか?

 

例1)His dog is worrying a bone.      

 

これは接触動詞の一種と考えればいいのではないでしょうか。接触動詞というのは、kick・hit・strike・punchなどの打撃を与える系の意味合いのある動詞のことです。そして、この接触動詞にはatなどの前置詞を伴った自動詞用法があるのですが、前置詞があるかないかでニュアンスが異なります。

 

例2)He kicked the door.

例3)He kicked at the door.

 

kickを用いたこれらの文では、例2においては「ドアを蹴った」という結果まで含まれますが、その一方で例3においては「ドアを蹴った」という結果までは含意されません。この点を加味すると、両者の訳は

 

例2の訳)「彼はドアを蹴った

例3の訳)「彼はドアに蹴りかかった

 

となります。

 

接触動詞」なんて初めて聞いたという方もあるかもしれませんが、有名な英語の諺にもこれは出てきます。それが次の文。

 

A drowning man will catch at a straw.

「溺れる者は藁をも掴む」

 

このcatch atの部分がそうです。言い換えるなら、”try to catch”になるでしょうか。

 

さて、話をworryに戻します。上記の観点でさきの例1と見出し例文1との違いを考えてみると、

 

見出し例文1)His dog is worrying at a bone.

 

では、必ずしも骨を噛んで引っ張ったり、振り回したりするという結果が含まれていないということになります。

 

具体的に言えば、犬が骨を振り回そうとしたら勢い余って何処かに飛んで行ってしまったり、噛もうとしたら骨が滑って地面に落ちてしまうなどの”失敗する”状況が想定できるでしょう。

 

それに対して、

 

例1)His dog is worrying a bone. 

 

では、そのような”失敗”は暗示されていないということになります。

 

さて、worryとworry atの違いを考えるならば以上のようになるでしょうが、他の接触動詞と異なり、これら2つの意味の差はかなり微妙かもしれないということを付け加えておきます。

 

 

2.He kept worrying at the problem all day.

意味:彼はその問題を解こうとして、一日中ずっと苦心していた

目的語パターン:後置型

 

語彙解説

このworry atは「(問題など)を解決しようとして苦心する」の意。こちらも通例は進行形となります。

 

意味の捉え方・覚え方

これは、worryの自動詞用法である「心配する、悩む」の意味からの派生でしょう。つまり、

 

「特定の問題に対して悩む」

⇒「特定の問題を解決しようと苦心する」

 

ということ。

 

用いられる方位詞がよく見るaboutではなくatなのは、解決しようという目的があるために悩みの種になっているものに対して強い意識がいくからでしょう。

 

もしもaboutに変えてしまうと、漠然とした悩み・もやもやした気持ちというニュアンスになると考えられ、したがって問題の解決という目的を持って悩むという場面では適切ではないといえます。

 

 

編集後記

さて、いかがだったでしょうか。

 

今回の句動詞は意味こそ少ないものの、意外と拾うべきポイントがあったように思います。

 

では、また。

 

 

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