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It's about time to get down to brass tacks. ってどんな意味?【句動詞表現#27】

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どうも、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)

 

 今回は句動詞get down to~とget down on~をまとめて扱います。

 

では、始めましょう。

 

 

初めての方へ

当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。

 

また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。

 

①:割り込み型

動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません

 

例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」

 

②:後置型

必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン

 

例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」

例2)get up to London「ロンドンに行く」

 

③:後置型

方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”後置型」としてあります。

 

例)put on weight 「体重が増える」

 

④:入れ替え可能型

文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン

 

例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」

 

⑤:不要型

いわゆる「自動詞+副詞」のパターンこのパターンでは、意味を成立させるのに的語を必要としません

 

例)break up「(関係・友情などが)終わる」

 

【句動詞表現#2】では、ムダに細かく考察しています。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。

 

eigogakushu.hatenablog.jp

 

 

getとdownのコアイメージは?

getのコアイメージ 

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getのコアイメージは「何かを得る」です。今回のget downでは、そこから発展した「ある状態を手に入れる」つまり「ある状態になる、させる」というのが意味の基本となります。

 

 downのコアイメージ

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 downのコアイメージは文字通り「下降」です。このイメージは下への運動・移動という物理的な下降だけでなく、後代や気分の落ち込みなどの時間的・精神的な下降も表します。

 

 

1.Let's get down to business.

意味:本題に入ろう

目的語パターン:後置型

 

語彙解説

get down to~とは「(仕事など)に取りかかる、本腰を入れて取りかかる」の意。get down to business[work](「本腰を入れて仕事に取りかかる;本題に入る」)という成句でよく用いられます。

 

意味の捉え方・覚え方

まず、次のようなSVCの第2文型として考えます。

 

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【句動詞表現#21】で扱ったようにget downには「身をかがめる、しゃがむ;伏せる;跪く;座る」という意味があります。

 

今回は、この意味のうち「座る」という意味で使われていると考えるのが一番分かりやすいでしょう。つまり、「椅子に座って(仕事など)に向かう」ということです。

    

他の用例

 他に、目的語が動名詞になるパターンもあります。

 

Read the text all the way through before you get down to translating it.

 

(出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary)

 ※私訳:「訳し始める前に原文を最後まで読みなさい」

 

 

2.My mother's always getting down on me for playing video games too much.

意味:テレビゲームのやり過ぎだと母はいつも文句を言ってくる

目的語パターン:後置型

 

語彙解説

get down on~とは「(人)に小言を言う、(人)を非難する」の意。何のことに対しての小言なのかを表すために、見出しの例文のように直後に「for~」を伴う場合があります

 

意味の捉え方・覚え方

 これもSVCの第2文型として捉えます。

  

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この意味用法では、意味の切れ目が例文1.とは異なり、「get」+「down on~」となります。というのは、まず、be down on~(「~に敵対している;いらついている;~を非難している」)という表現があって、この状態になる(=get~)のがこのget down on ~だからです。

 

この表現を覚えるにあたっては、be down on~自体に「~を非難している」という意味があるので、これにgetがくっ付いて

 

「~を非難している状態になる」⇒「~を非難する、小言を言う」

 

という流れで生まれた意味だと考えても勿論問題ないのですが、be down on~の根幹は「~に敵対している」という点は押さえておいて損はないかと思います。

 

なお、この「敵対」というニュアンスはどこから来たのかというと、恐らくはdownに由来するものでしょう。

 

この点は、例えば、bear down on~(「~にのしかかる、圧迫する」などの意)という表現を考えてみると分かりやすいですね。というのは、こういった「物理的に圧迫する」意味合いから「抑圧する、弾圧する」といった比喩的な意味が生まれ、そこから「敵対」というニュアンスがdownに含まれるようになったと推測できるからです。

 

 

3.It's about time to get down to brass tacks.

意味:そろそろ本題に入ろう

 

語彙解説

get down to brass tacksとは「本題[核心]に入る」の意。他にget down to cases[bedrock]という言い方もありますが、その意味はほぼ同じです。

 

意味の捉え方・覚え方

まず、brass tacksとは「 真ちゅう製の鋲」のこと。鋲つまり留め金というのは、そこが外れれば全体が崩れてしまうような要となる部分です。ここから「問題などの核心」という比喩的な意味が派生しました。そして、この意味こそがget down to brass tacksで用いられているんです。

 

つまり、

 

「(問題などの)核心に取りかかる」⇒「核心に入る」

 

という流れで生まれた意味用法と考えることが可能です。

 

他の2つについても少し触れておきましょう。

 

get down to bedrockで用いられているbedrockももとは「岩盤」という意味で、そこから「基盤、根本」といった比喩的な意味が生まれました。つまり、get down to bedrockは、「根本的なことに取りかかる」⇒「核心に入る、本題に入る」という流れで理解することができます。

 

get down to casesに関しては、実は「審理する」という意味もあり、これが元の意味だと考えられます。そこから発展して「核心に入る、本題に入る」の意味を持つようになったのでしょう。

 

では、「審理する」という意味はどこから来たかというと、casesが「実例、事例」の意味で使われて「実例[事例]に取りかかる」になることに由来すると推測されます。

 



 

 

さて、いかがだったでしょうか。

 

今回の表現はよく使われる表現ですので、しっかりと押さえた方がいいですね。

 

では、また。

 

 

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