I feel like I got the basics down. ってどんな意味?【句動詞表現#22】
どうも、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)
今回のテーマはget down(他動詞用法)。
You ought to get down to the store right away. ってどんな意味?【句動詞表現#21】と比較しながら読んでもらうと憶えやすくなると思います。
では、始めます。
- 初めての方へ
- getとdownのコアイメージは?
- 1.Can you get the book down from the shelf?
- 2.Could you help me get the bookshelf down the stairs?
- 3.I got the large tablets down with repeated swallows.
- 4.I feel like I got the basics down.
- 5.I got the price down to 100 dollars.
- 6.Let me get your address down.
- 7.Don't let it get you down too much.
- 8.Get somebody down there, right away!
初めての方へ
当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。
また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。
①:割り込み型
動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません。
例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」
②:後置型
必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン
例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」
例2)get up to London「ロンドンに行く」
③:準後置型
方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”準”後置型」としてあります。
例)put on weight 「体重が増える」
④:入れ替え可能型
文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン
例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」
⑤:不要型
いわゆる「自動詞+副詞」のパターン。このパターンでは、意味を成立させるのに目的語を必要としません。
例)break up「(関係・友情などが)終わる」
【句動詞表現#2】では、ムダに細かく考察しています。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
getとdownのコアイメージは?
【句動詞表現#21】 でご紹介したものを再掲しておきます
getのコアイメージ
getのコアイメージは「何かを得る」です。今回のget downでは、そこから発展した「ある状態を手に入れる」つまり「ある状態になる、させる」というのが意味の基本となります。
downのコアイメージ
downのコアイメージは文字通り「下降」です。このイメージは下への運動・移動という物理的な下降だけでなく、時代が下ることや気分が落ち込むことなどの時間的・精神的な下降も表します。
1.Can you get the book down from the shelf?
意味:棚からその本取ってくれる?
目的語パターン:割り込み型
このget~downは「~を降ろす」の意。「from+場所」という修飾語とともに用いることが多いです。また受動態は不可。
コアイメージとの繋がりですが、これはそのまま、SVOCの第5文型として捉えれば問題ないでしょう。つまり、「本を下降した状態にする」⇒「本を降ろす」ということ。
以前にも【句動詞表現#4】などで言及しましたが、OとCの間の主語述語関係(今回の意味用法でいえば、the bookがdownの状態になること)が強く意識される意味用法では、目的語パターンは割り込み型になる傾向があります。
では、どういう場合にOとCの間の主語述語関係が強く意識されるかというと、五感でその様子を捉えることができる場合です。その中でも、視覚的に捉えることができるケースでは特に主語述語関係が強く意識されます。
この例文1.においても、本が降ろされる様子は視覚的に認知できますよね。だからこそ、目的パターンは割り込み型になっているんです。
次に、視覚以外の五感でOとCの間の主語述語関係を捉えることが可能な場合。例えば、後述する「食べ物などを飲み込む」の意味用法であれば、食べ物が食道を下がっていくのを触覚などで感じ取れますよね。このようなケースでも、視覚的に認知できる場合ほどではないにしろ、OとCの間の主語述語関係が意識されるために、目的語パターン自体が入れ替え可能型であっても「動詞+目的語+副詞」という語順が好まれる傾向にあるようです。
なお、この意味用法では次のように「get+人+down+物」または「get+人+物+down」という形も用いられるようです。ただし、どちらもくだけた表現です。
Can you get me down that book?
(出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary)
Can you get me that book down?
(出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary)
※意味はどちらもほぼ同じで「あの本取ってくれる?」ということ
おそらく、これはget~downにmeを挿入したと考えるよりも、第4文型のget me that bookという形にdownを入れたものと考える方が分かりやすいのではないでしょうか。
2.Could you help me get the bookshelf down the stairs?
意味:本棚を階段から降ろすの手伝ってくれませんか?
目的語パターン:割り込み型
このget~down...は「~を(階段やロープなどを伝って)降ろす」の意。受動態は不可。"help me get"の箇所は"help me to get"の省略。またこのget~down...には「苦労して降ろす」というニュアンスもあるようです。
日本語訳をする都合上「階段から降ろす」としましたが、見出しの例文はget the bookshelf down from the stairsではないので注意です。 このfromのあるなしでの意味の違いは、【句動詞表現#21】をご参照ください。
さて、さきの例文1.同様、この例文の場合にも、the bookshelfがdownする様子は視覚的に認知できますよね。なので、目的語パターンは割り込み型となっています。
3.I got the large tablets down with repeated swallows.
意味:その大きめの錠剤を、何度も喉を鳴らしながらようやく飲み込んだ
目的語パターン:入れ替え可能型
このget~downは「(薬や食べ物など)を何とかして飲み込む」の意。受動態は不可。一応入れ替え可能型ですが、「get+目的語+down」の形の方が好まれるようです。この辺りの事情は例文1.を参照ください。
コアイメージとのつながりは特に問題ないでしょう。食べ物をごくりと飲み込めば、その飲み込んだものが下がっていくのを感じ取れますよね。この感覚をそのままイメージした表現です。
また、この意味用法では、"get+目的語+down+人"という形をとって「~を説得して(飲食物など)を飲み込ませる」という意味にもなる場合があります。面白い表現ですが、くだけた表現と見なされるようです。ちなみに、方位詞downはこの意味では前置詞なので位置は固定されています。
Get this tea down you, then you'll feel better.
(出典:Oxford Phrasal Verbs Dictionary)
※私訳:「この紅茶、ぜひ飲んでみてよ。そしたら、気分も良くなるからさ。」
4.I feel like I got the basics down.
意味:基本は何とか分かった気がするよ
目的語パターン:入れ替え可能型
これが記事タイトル。このget~downは「(コツ・要領・基本など)を何とかして飲み込む」の意。受動態不可。また、I feel like SVは「SがVするような気[感じ]がする」の意味になります。
皆さんお分かりのように、これは例文3.の意味用法を拡大・延長した比喩表現です。
比喩表現なので、目的語になっているものがdownするという感覚は例文3よりもさらに薄いはずです。つまり、OとCの主語述語関係はあまり意識されないと推測できます。したがって、この意味では「get+目的語+down」の形の方が特に好まれるといったことはないと思われます。
5.I got the price down to 100 dollars.
意味:100ドルにまけてもらった
目的語パターン:入れ替え可能型
このget~downは「(費用・値段など)を下げる、抑制する」の意。受動態不可。これも「get+目的語+down」という形の方が好まれるようです。また、どこまで下げるのかという水準を示すために「to+数字」という修飾語が後ろにくっつくことも多いです。
コアイメージとのつながりはほぼそのままですね。数字が小さくなる様子を「下がる」と捉えているだけです。
興味深いのは、この意味では「自分で下げる」および「他の人に下げてもらう」のどちらの意味にもなれるという点です。見出しの例文では主語がIなのでお客側の話だとわかりますよね。なので、「まけてもらった」という日本語訳になります。
しかし、主語をweにすると、店側の話なのか客側の話なのか不明なあいまい文になります。
例)We got the price down to 100 dollars.
「僕らは100ドルにまけてもらった」(客側の話)
「当店では、100ドルに値下げしました」(店側の話)
6.Let me get your address down.
意味:あなたの住所、メモさせてください。
目的語パターン:入れ替え可能型
このget~downは「(言葉など)を書き留める」の意。受動態不可。これも「get+目的語+down」という形の方が好まれるようです。
これは、何がdownしていく状態だと考えればいいでしょうか。
まず、何かの言葉を書き留めるには「考えた言葉」「見た言葉」「聞いた言葉」の3パターンあると思いますが、その3つの言葉は最初、頭の中に存在していますよね。考えた言葉は「頭」の中で作られ、見た言葉は目から「頭」に入り、聞いた言葉は耳から「頭」に入るからです。
そして手を動かして紙などに書くことで、頭の中に存在していた言葉が紙面上に”移動”したように感じるのでしょう。
つまり、頭の中にあった言葉が紙面上にdownしていく状態。これが「書き留める」という感覚なら納得がいくのではないでしょうか。
7.Don't let it get you down too much.
意味:あまり落ち込まないで
目的語パターン:割り込み型
このget~downは「(事または人が)(人)をがっかりさせる、落ち込ませる、気落ちさせる」の意。受動態不可。見出し例文中のitは状況や事柄などをと示すitです。直訳だと「状況があなたを著しく落ち込ませるのを許さないで」という感じになります。
コアイメージとのつながりに関しては分かりやすいですね。まず、意味上の文型はSVOCの第5文型と考えましょう。
次に、何がdownしたのかについて。この点に関しては、youの気分をdownした状態にさせるという比喩表現と捉えてもいいですし、日本語でも「肩を落とす」などと言うように、今まさに"がっかりしている"人の体というのは脱力して体全体が下がっているようにも見えますから、その様子をそのまま表した表現と解してもOKでしょう。
いずれの解釈にしろ、がっかりする様子は視覚的に捉えることができるので、OとCの主語述語関係が強く意識されます。したがって、目的語パターンは割り込み型となります。
ところで、日本語の感覚からすると、落ち込む・がっかりする・気落ちするといいますから英語でも自動詞表現になるのかな?と考えてしまいますよね。実は、前回の【句動詞表現#21】で書き忘れてしまいましたが、確かにget downという自動詞表現も「落ち込む」の意味になることは一応可能です(後ほど、#21の記事を修正・更新しておきます・・・)。
しかしながら、実例を見てみると、実際にはこちらの他動詞表現が使われることの方が多いですね。特に、見出し例文そのままかtoo muchをはずしたパターンはよく見ます。
全く同じというわけではないですが、日本語でいう「驚く」をわざわざ受動態を用いて"be surprised"というのと似ているなぁと考えておけば良さそうです。
こういうところを見ると、日本語はなるべく自動詞的表現に寄せたがり、一方で英語は他動詞的表現に寄せたがるという性質がちらちらと見え隠れしていますよね。
8.Get somebody down there, right away!
意味:今すぐ、そこへ誰か向かわせろ!
目的語パターン:割り込み型
このget~downは「(人や物)を(南方へ)送る、運ぶ」の意。
似た表現は以前の記事でも何回か出てきてますし、コアイメージとの繋がりは問題ないでしょう。「地図や地球儀の下方へ向かわせた状態にする」⇒「南方に送る・運ぶ」ということです。このように、割り込み型は第5文型で考えると分かりやすくなります。
また、目的語パターンについても大丈夫でしょう。人や物が送られたりする様子は視覚的に認識することが可能ですから、OCの主語述語関係が強く意識されることになって、結果として割り込み型になりますね。
さて、いかがだったでしょうか。
意味的にイメージしやすいものばかりだった印象です。
では、また!
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