まとめて攻略!get across【句動詞表現#10】
どうも、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)
今回のテーマはget across。
形のパターンが多いだけで意味自体はそれほど多くないので、まとめて覚えてしまいましょう!
- 初めての方へ
- getとacrossのコアイメージは?
- 1.Get across the street!
- 2.John only just got across to the island.
- 3.We've got to get our baggage across the river.
- 4. The words didn't get across to him.
- 5.You need to get your idea across to everyone.
- 6.They really get across me!
初めての方へ
当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。
また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。
①:割り込み型
動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません。
例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」
②:後置型
必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン
例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」
例2)get up to London「ロンドンに行く」
③:準後置型
方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”準”後置型」としてあります。
例)put on weight 「体重が増える」
④:入れ替え可能型
文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン
例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」
⑤:不要型
いわゆる「自動詞+副詞」のパターン。このパターンでは、意味を成立させるのに目的語を必要としません。
例)break up「(関係・友情などが)終わる」
【句動詞表現#2】では、ムダに細かく考察しています。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
getとacrossのコアイメージは?
以前の記事をご覧になった方にはgetはもうお馴染みですが、そのコアイメージは「何かを得る」です。今回のget acrossでは、そこから発展した「ある状態を手に入れる」つまり「ある状態になる、させる」というのが意味の基本となります。
一方、acrossのコアイメージは「横切る」です。
横切るといっても、上を通過するように横切る或いは乗り越えるようにして横切るというイメージがあるoverとは異なり、acrossの場合は直線的に横切るなので、区別しておきましょう。もしくはacrossのコアイメージはアイキャッチにもある「十字」のイメージでもOKです(ちなみにイングランドの国旗ですよ)。
1.Get across the street!
意味:通りを渡って(こっちに)来い!;通りを渡って向こうに行け!
目的語パターン:後置型
このget across...は「~を横切る、渡る」の意。なんといっても、これが基本の意味です。上のコアイメージを合わせただけなので簡単ですね^^
意味を捉えるには、「通りを渡った状態になる」というSVCの第2文型として考えれば分かりやすいです。
なお目的語の位置パターンは後置型であり、目的語が代名詞でもacrossの位置は変わらないので注意です。
2.John only just got across to the island.
意味:ジョンは、やっとの思いでその島に渡った
目的語パターン:後置型
このget across to~は「~に渡る」の意味で、方位詞が連続する形です。only justは「やっと、かろうじて」の意。
見出しの例文ではtoを用いて目的の場所を示していますね。一方、acrossの後ろには名詞はありません。どこを渡るのかは状況から明確だという意識が働いてそれが省略されていると考えればOKでしょう。
また、意味を捉えるには、これもSVCの第2文型のように考えれば分かりやすいです。
3.We've got to get our baggage across the river.
意味:荷物を川の向こうへ運ばなきゃ。
目的語パターン:割り込み型
例文1.と2.は自動詞的な意味でしたが、こちらはその他動詞バージョン。したがって、このget...across~は「...を~の向こうに運ぶ」となります。また「've」はhaveの略で、have got to do はhave to doと同じ意味です。
意味的には、SVOCの第五文型と見なすと理解しやすくなりますね。
また、次のようにacross以下の目的語を省いた言い方もあります。
We've got to get our baggage across.
この場合のacrossは副詞用法なので普通に考えれば入れ替え可能となるはずなのですが、実際には割り込み型となるようです。この理由は例文5.で触れます。
ちなみに、目的の場所も示したいのであれば次のようになります。感じとしては例文1.~3.を合成したような文になりますね。
We've got to get our baggage across the river to the forest.
「私たちの荷物を、川を渡って森まで運ばなければならない」
ただ、実際には渡る場所か目的地のどちらかは状況から分かるでしょうから、ここまで述べるとクドくなるでしょうね・・・。
4. The words didn't get across to him.
意味:その言葉は彼には通じなかった
目的語パターン:後置型
これは、見た目は例文2.と全く同じです。違うのは、その意味。こちらはメタファー(隠喩)になっています。つまり、人や物など具体的なものが川・道など物理的な場所を渡るという意味から、言葉・考えなど抽象的なものが人と人の間を渡って相手まで届くという意味へと発展したと考えれば分かりやすいです。
5.You need to get your idea across to everyone.
意味:皆に君の考えを分かってもらう必要があります
目的語パターン:入れ替え可能型
今度は例文4.の他動詞バージョンなので、意味は「...を~に理解させる、理解してもらう」となります。
入れ替え可能型なので、次にようにすることもできます。
You need to get across your idea to everyone.
また、to以下を省く場合もあります。
You need to get across your idea. ・・・(1)
ここで、例文3.のところで出てきた
We've got to get our baggage across. ・・・(2)
と見比べてみましょう。
(1)の意味では入れ替え可能型なのにどうして(2)の意味では割り込み型となるのでしょうか?
おそらくこのようになる理由は、get a building upってどんな意味?~他動詞用法のget upその2~【句動詞表現#4】の例文1.のところで言及したことと同じだと推測されます。
つまり、何か具体的なものを物理的に運ぶ場合には、SVOCが意識されるので目的語の位置は割り込み型になりますが、その一方で、言葉や考えなど抽象的なものを比喩的に運ぶ場合にはSVOCの意識が薄れて入れ替え可能型になるのでしょう。
このようにSVOCの意識があったり薄れたりするのは、視覚的に認識しやすいかどうかによるものと考えられます。視覚的に認識しやすければSVOCのOとCの間にある主語述語関係が意識され、認識しにくければその意識が薄れるというわけです。
6.They really get across me!
意味:あの人たち、ホントむかつくなぁ!
目的語パターン:後置型
このget across...は「(人)を悩ませる、怒らせる」という意味で、イギリスの口語表現です。恐らく例文1.の意味用法から発展した比喩表現と考えられます。
これはイメージですが、寝ている人の体の上を渡るということは、またぐか踏んでいくことになりますよね。それはつまり、その人を無視しているあるいは、おちょくっているかのどちらかになるという連想が働いているのでしょう。面白い表現ですね^^
さて、いかがでしたか?
形のパターンは6つでしたが、その意味は「渡る、渡らせる[運ぶ]」「通じる、理解させる」「怒らせる」の3パターンしかありませんでした。意味も比較的分かりやすいので助かりますね(笑)
では、また。
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