Bad weather makes for a long day.ってどんな意味?【句動詞表現#11】
皆さんこんにちは、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)
今回のテーマはmake for。
用法も少ないので、さらっとやってしまいましょ~
- 初めての方へ
- makeとforのコアイメージは?
- make forには何が隠されてる?
- 1.The cat made for the door.
- 2.Bad weather makes for a long day.
初めての方へ
当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。
また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。
①:割り込み型
動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません。
例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」
②:後置型
必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン
例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」
例2)get up to London「ロンドンに行く」
③:準後置型
方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”準”後置型」としてあります。
例)put on weight 「体重が増える」
④:入れ替え可能型
文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン
例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」
⑤:不要型
いわゆる「自動詞+副詞」のパターン。このパターンでは、意味を成立させるのに目的語を必要としません。
例)break up「(関係・友情などが)終わる」
【句動詞表現#2】では、ムダに細かく考察しています。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
makeとforのコアイメージは?
makeのコアイメージは「こねて何かを作り出す」です。createと異なり、既にある何かを別の何かに作り替えるというイメージがmakeの根底にはあるからです。
実際、『ジーニアス英和大辞典』のmakeの項目には次のような記述があります。
「こねてパン・家などを作る」が原義
これは、コアイメージとしてもピッタリですね!
次に、forのコアイメージですが、こちらは「ある方向に向かう」がコアイメージとして適切です。
というのも、forはtoとは異なり、必ずしも到達することを意味するわけではなく、あくまでその方向に行くというニュアンスしかないからです。
例えば、I went to the station.といえば駅まで到達したことを意味しますが、I went for the station.といえば、駅の方角に行ったことを示しているだけで、必ずしも駅に行ったとは限りません。
make forには何が隠されてる?
この問題もそれほど難しくはありません。というのも、明らかにmakeとforの間には何か省略されているものがありそうですよね?
そう思ってすぐ思いつくのが、次の表現。
make one's way to[toward].... 「(苦労して)・・・に進む」
この表現の方位詞はtoやtowardに固定されているわけではなく方向を表すものならOKなので、ほぼこれで決まりでしょう。
つまり、make forはもともとmake one's way forという形だったということです。
では、なぜmake one's wayが「(苦労して)・・・に進む」という意味になるのか少し考えてみましょう。
コアイメージのところでも言いましたが、makeはcreateのように全く何もない「無」から創造するという意味は基本的には持ちません。したがって、make one's wayとは、既にある何かを用いて道を作るということになりますよね。これには、「人の出入りの全くないような山に行って伸び放題の草をかき分けて前に進んでいる」というイメージがぴったりとハマります。
まさに↑のような感じですね。自分の歩いたところだけ道ができている、そんなイメージです。
1.The cat made for the door.
意味:その猫はドアの方へ行った
目的語パターン:後置型
これは「・・・の方角へ向かう」の意。さきほどのmake one's wayの意味とほぼ同じですね。違うのは、one's wayが消失したこのmake forでは「苦労して」というニュアンスは消えているという点です。
2.Bad weather makes for a long day.
意味:天気が悪いと一日が長く感じる
目的語パターン:後置型
これが本記事のタイトルにある例文です。こちらのmake for...は「・・・の役に立つ;・・・を助長する;・・・(という結果)をもたらす」という意味になります。見出しの例文を直訳すれば「悪天候は長い一日をもたらす」となるでしょうか。
このように日本語で意味を書くと「え、3つとも全然違う意味じゃん・・・」と思われるかもしれませんが、英語で書くとシンプルです。以下は、Collins COBUILD Advanced Learner's English Dictionaryのmake forの項目からの引用。
If something makes for another thing, it causes or helps to cause that thing to happen or exist.
要するに、「何かが生まれたり或いは現象が発生したりする直接的な原因になる又は間接的な原因になる」ということ。これを分かりやすい日本語にすると、上述の3つのような意味になるわけです。
最後に、なぜこれがmake forの意味になるのかについてですが、make for自体が「~の方角に進む」ということですから、大雑把にいえば
<事象A> make for <事象B>
となると思います。この事象Aが事象Bに向かって進むということなので
<事象A> ⇒ <事象B>
という図式になりますね。このイメージで考えれば、
<事象A> ⇒ <事象B>
ll ll
原因 結果
というように、主語の事象が原因でfor以下にある事象が結果というイメージへと発展するのもごく自然なように思えます。
さて、今回はいかがでしたか?
キホンのイメージに沿った素直な表現でしたね。他の表現も皆これくらい素直だといいんですけどねぇ・・・。
では、また!
↓皆様の応援が励みになります。もしよろしければクリックをお願いいたします