I'd better get going.はなぜgetなのか?【決まり文句#1】
どうも、ねこらいたーです (= ̄ω ̄=)
今回は軽めの話題ですが、get -ingについて。
意味は比較的分かりやすい表現なので何気なく使ってしまいそうですが、このgetってなんだろうって思ったことありませんか?
そもそもget -ingの意味って?
Practical English Usage(Third Edition)を引くと、こう書いてあります。
Get...ing is sometimes used informally to mean 'start ...ing', especially in the expressions get moving, get going.
要するに、get -ingは「・・・し始める」という意味ですね。特に移動を表す表現で用いられます。
用例は?
◎ I('d) better get going.
「行かないと」※「'd」はhadの略。この「'd」も省く場合あり
◎ We should get going.
「行かないと」
◎ We got talking about the old days.(LDCEより引用)
私訳:「僕らは昔語りを始めた」
◎ Get moving.
「さっさとやれよ」
※参考 今回は扱いませんがGet the engine running!(「エンジンを始動させろ!」)のようにVOCのパターンもあります
startの意味はどこから来るの?
問題はここですよね。でも基本に戻れば、難しくありません。
getのコアイメージは「何かを手に入れる」ですが、そこから「ある状態を手に入れる」つまり「ある状態になる」という意味が出てくるという話は以前ご紹介しました。
このget -ingのgetも実は同じなんです。つまり、「~している状態になる」というのが元の意味で、ここから「~し始める」(= start)という意味になったと考えられます。
先ほどのLDCEの例で確認してみましょう。We got talking about the old days.という表現は
We were talking about the old days.
という状態がまず頭の中で想定されていて、そのような状態になる(=get)という意識が働いた結果wereがgotに変わるのです。
We got talking about the old days.
このようにbe動詞の部分をgetに変えたものがget -ingの正体です。
get goingとgoとの違いは?
これに関してはgetのニュアンスを知ることがヒントになりそうです。
皆さんはgetとbecomeとではニュアンスが異なることはご存知でしょうか?
getには「瞬間的に変わる」「意図的に変わる」「一時的に変わる」というニュアンスがあるのに対し、becomeにはそのようなニュアンスはありません。したがって、Get ready.とはいいますが、Become ready.とはいえません。
また、文法書などを見ると「 『~になる』の意味では、getの後ろにはふつう形容詞や分詞を置き、一方で名詞は置くことができない」といった感じのことが書いてありますが、これもgetのニュアンスによるものでしょう。
例えば、He bacame a father.とはいいますがHe got a father.とは言えません。一般的に言って、becomeの後にくる名詞というのは身分(例えば、親や王など)や職業を表すものが多いですよね。こういった身分や職業というものは大抵はなろうと思っても瞬間的になることは難しいですから、「瞬間的に変わる」というニュアンスのあるgetとは相性が悪いんです。これがHe got a father.とは言えない理由(のひとつ)です。
そして、この「瞬間的に変わる」というニュアンスが状況的に切迫していることをも表すようになったものがget -ingという表現です。一方で、ただのgoではこのような緊急性・切迫性を表せないので、I'd better go.というと少し間延びした感じになってしまいます。
したがって、気が急いているような状況ではI'd better go.ではなくI'd better get going.が選択されることになります。
さて、今回はいかがでしたか?
やはり基本の考え方は大事ですね。
では、また。
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