The teacher is always talking down to his students. ってどんな意味?~talk down その2~【句動詞表現#34】
どうも、ねこらいたーです (= ̄ω ̄=)
前回に引き続き、talk downについて見ていきます。
では、さっそく。
- 初めての方へ
- talkとdownのコアイメージ / 例文1.~3.について
- 4.The government was much blamed for talking the countries down.
- 5.John tried to argue wtih her, but she always talked him down in the end.
- 6. I managed to talk him down to 25 dollars.
- 7. The teacher is always talking down to his students.
初めての方へ
当ブログでは、いわゆる前置詞と空間を表す副詞をまとめて方位詞と呼んでいます。
また、このブログでは、句動詞を紹介するときに、その目的語の位置を次のようにパターン化してご紹介しています。
①:割り込み型
動詞と方位詞を必ず離してその間に目的語を割り込ませるパターン。目的語と方位詞の位置を入れ替えることはできません。
例)get John up 「ジョンを起こす」「ジョンを立たせる」
②:後置型
必ず方位詞の直後に目的語を置くパターン
例1)get up a ladder 「ハシゴを登る」
例2)get up to London「ロンドンに行く」
③:準後置型
方位詞の直後に目的語を置くのが普通なパターン。パターン②ほど目的語の位置は絶対的ではないので「”準”後置型」としてあります。
例)put on weight 「体重が増える」
④:入れ替え可能型
文字通り方向詞と目的語を入れ替えできるパターン
例)put the coat on(またはon the coat) 「上着を着る」
⑤:不要型
いわゆる「自動詞+副詞」のパターン。このパターンでは、意味を成立させるのに目的語を必要としません。
例)break up「(関係・友情などが)終わる」
【句動詞表現#2】では、ムダに細かく考察しています。より詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
talkとdownのコアイメージ / 例文1.~3.について
この点については、前回の記事(【句動詞表現#33】)を参照ください。
4.The government was much blamed for talking the countries down.
意味:それらの国に対する不適切発言の件で、政府は猛批判された
目的語パターン:入れ替え可能型
語彙解説
このtalk downは「①~をけなす ②~を軽んじる」の意で、”実際には違うのに、悪く言う”というニュアンスがあります。
意味の捉え方・覚え方
これも次のように第5文型と見なすのが分かりやすいです。
この「けなす、軽んじる」という意味用法では何が「下がる」のかというと、印象や価値が下がると考えておけばOKだと思います。
したがって、全体の意味のコアは「話した結果、その国々(の印象)が下がる」となります。そしてこのような事象を一言で表したものが「けなす」というコトバなのです。
なお、②の「~を軽んじる」は①の意味からの派生でしょう。というのは、けなすというのは悪く言うことであり、悪く言うということは即ち重要でないと考えているとも解釈できるからです。
5.John tried to argue wtih her, but she always talked him down in the end.
意味:ジョンは彼女と張り合おうとするものの、結局いつも言い負かされていた。
目的語パターン:入れ替え可能型
語彙解説
このtalk downは「(大声で話したり、捲し立てたりすることで)(人)を言い負かす、黙らせる」の意。
意味の捉え方・覚え方
第5文型で捉えるなどの流れは例文1.~4.と同じなので省略します。
注意点が1つ。
上の図は見出し例文3のものと全く同じですが、「どう下がるのか」に関しての捉え方が異なります。
例文3.の場合には、「高まり過ぎた精神状態が下がって、元の正常な状態に戻る」というように、いい意味で精神状態が下がるということでした。
一方、この例文5.では「正常な精神状態から下がって、ゼロまたはマイナスになる」というように悪い意味で精神状態が下がることを意味しています。より具体的には、やる気・闘争心などが低下するということになるでしょう。日本語ではこの状態を「心が折れる」とも言いますよね。
6. I managed to talk him down to 25 dollars.
意味:何とか25ドルにまけてもらった
目的語パターン:入れ替え可能型
語彙解説
このtalk downは「~を説得して(...まで)価格を下げさせる」の意。
どこまで価格を下げてもらったのか示す語が「to+金額」という形で現れることがあります。その場合には、”down to +金額”が「~まで下がって」という意味のカタマリを形成するので、”talk down John to 25 dollars”のように目的語をdownとtoの間に入れることは通常しません。このことは、前回の記事で出てきた”down from~”などの表現にも当てはまると考えられます。
勿論、talk down自体は目的語の位置が入れ替え可能なので、down以下にfrom~やto~などの前置詞句がない場合には、次のようにすることもできます。
例)I managed to talk down Bob.
「どうにかボブにまけてもらった」
意味の捉え方・覚え方
これも、第5文型として考えることなどに関しては例文5.までと同じです。
注意点があるとすれば、下がるのは彼自身ではなく彼の請求額ということくらいでしょうか。
他の用例
「どこからどこまで」値段を下げてもらうのかを示す場合には
例)I managed to talk him down from $2000 to $700.
「どうにかこうにか2000ドルから700ドルにしてもらった」
というようにfrom~to...という表現を用います。
また、「どこまで」ではなく「どのくらい」値段を下げてもらうのか示す場合には次のようにtoを置かずにdownの直後に~dollarsと書きます。
例)I managed to talk him down $100.
「なんとか100ドルまけてもらった」
7. The teacher is always talking down to his students.
意味:その教師は生徒に対し、いつも見下したような態度で話をしてばかりいる
目的語パターン:後置型
語彙解説
これが記事タイトル。このtalk down to~とは「①(相手を理解力の足りないものだと見なして)(人)に対して話の内容をカンタンにして話をする ②~(人)に対して見下した態度で話す」の意です。
"be always -ing"は「いつも~してばかりいる」という呆れの感情を表した言い方。
意味の捉え方・覚え方
実はtalkは他動詞用法では「~について話す」という意味があります。
We talked music[baseball] while we were having dinner.
夕食の時私たちは音楽[野球]の話をした
(出典:『ジーニアス英和大辞典』)
この意味で使われていると考えれば比較的分かりやすくなると思います。つまり、talkとdownの間には話題に関する語が省略されていると考えてみてはいかがでしょうか。
これを踏まえると、構造は次のようになります。
つまり、「話した結果、話題(のレベル)が生徒(のレベル)まで下がる」ということです。これが①の意味の根幹でしょう。
また②の意味は①の派生です。というのも、そもそも①の意味自体に「相手の理解力が足りない」と見下しているニュアンスが含まれているからです。
さて、いかがだったでしょうか。
今回は記事を分割したので短めになりましたが、本来はこのくらいの分量がいいのでしょうね・・・。
毎回長くて読む気を削いでしまっている点は大変申し訳なく思っていますが、個人的には、同じ表現の用法についての説明を分割すると、見づらいかなぁと思っています。これまで、長くてもなるべく分割しないで投稿していたのはそういう理由からです。
実際のところ、どちらがいいのでしょうか?悩ましいですね・・・。
では、また。
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