どうも、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)
【えーご雑学#1】ではgetの基本イメージを扱いましたが、これに関連してgetの語源関係も少しだけ紹介しようと思います。
英語の歴史って?
まずは、英語の歴史について知っておいた方が分かりやすいと思うので、ごく簡単に紹介しますね。
今日における英語と言うのは学問的な分類上「Present-day English / 現代英語(20世紀以降のもの)」と呼ばれています。
ではその前の英語はどのように分類されているかというと、古い順から「Old English / 古英語(5世紀~11世紀中頃のもの)」「Middle English / 中英語(11世紀~15世紀のもの)」「Modern English / 近代英語(16世紀~19世紀のもの)」というようになっています。
中学や高校の国語の時間で習った古文のように英語にも古文に相当するものが存在するのですが、それが上記の古英語・中英語・近代英語というわけですね。
昔の英語(特に古英語)は現在の英語と大きく異なり、名詞・代名詞・形容詞・動詞などが各々異なった「屈折」(いわゆる「活用」のようなもの)を行うため、そのルールを把握するだけでもかなり大変です。
ドイツ語・フランス語・イタリア語などのヨーロッパ系言語を学んだことのある方はこの「屈折」の厄介さがよく分かるかもしれません(ちなみに、英語は元々、ゲルマン語つまり今でいうドイツ語系の方言のうちの一つだったといわれています)。
英語の古文って実際にはどんなもの?
例えば、次の文章は古英語期に書かれたもので、英文学最古の伝承の一つであるBeowulf(ベーオウルフ)の冒頭部分です。どういうことを言っているか読み取れるでしょうか?
Hwæt! We Gardena in geardagum,
þeodcyninga, þrym gefrunon,
hu ða æþelingas ellen fremedon.
注)「古英詩 ベーオウルフ」(http://www.moonover.jp/2goukan/beowulf/)より引用
どうでしょう?内容を掴めましたか?
かな~り難しいですよね...。現在では使われていない文字も含まれているので、古英語を学んだ方以外はたとえネイティブであっても読めないと思います。日本語のネイティブである日本人であっても、文法や単語を理解していないと日本の古文が読めないのと全く同じですね^^
上記の作品は英雄ベーオウルフの冒険を語る叙事詩なのですが、「ベオウルフ 呪われし勇者」という邦題で映画化もされてますのでご存知の方も意外と多いのではないでしょうか。
getの語源って?
これに関しては【えーご雑記帳#1】でも触れましたが、その語源は古ノルド語といわれるゲルマン語系の言語の単語"geta"(意味は「手に入れる」)と言われています。この単語が古英語期に流入し、のちのgetになったようです。
「他言語から借用したということは、もしかして『手に入れる』という意味の単語が古英語になかったのか?」と思われた方もいるかもしれません。
実は、古英語にも現代英語"get"の元になる語がありました。それが"-gietan"です。
なぜ「 - (ハイフン)」がついているのかというと、この語は古英語期には単独で存在しておらず、ふつうはbe-, for-, under- などの接頭辞を付けることでbegietan(「手に入れる」)、forgietan(「忘れる」)、undergietan(「理解する」)などの動詞の一部として用いられていたからです。
これが中英語期に入ると、"geten"(「手に入れる」)という独立した動詞として使われていました。ここまでくると、あとは屈折という現象が消えていく中で語尾の"-en"も失われたのだろうと容易に想像できますね。
まとめ
◎英語には古英語・中英語・近代英語・現代英語という区分がある
◎古い英語には「屈折」と呼ばれる活用がたくさんあり、覚えるだけで大変
◎英語はもともとドイツ語系方言の一種だった
◎古英語の文字には現在使われていないものがあった
◎古い英語はきちんと学んでいなければ、ネイティブでも読めない
◎getの語源は古ノルド語の単語"geta"(意味は「手に入れる」)。これが古英語期に流入
◎古英語にもgetの元になる単語はあった。それが-gietan
◎-gietanは接頭辞とともに用いるのが普通だった
◎-gietanは中英語期にはgetenへと変化
さて、今回は英語の歴史と絡めてgetの由来をごくごくカンタンに紹介してみましたが、いかがだったでしょうか?
現代英語の表現で「なぜこういう意味になるんだろう?」と疑問に思って少し調べても解決しないときは、こういった英語史関連の書籍を当たってみると割とすんなり解決してしまうことがあります。
皆さんも英語史かじってみてはいかがでしょうか?^^
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