気ままに英語あそび

「なぜこういう英語表現になるの?」納得するまで気ままに考えたい! 効率重視の時代に逆行する英語学習ブログ

MENU

ちょい足しで考察する英語フレーズ10 その1【決まり文句#4】

鉛筆とノート

どうも、ねこらいたーです (= ̄ω ̄=)

 

今回は、省略表現だと思われるフレーズ(決まり文句)について、その元の形は何かを軽く考察してみたいと思います。何回か続きそうな気配なので、「その1」としておきました。

 

正直、元の形が分かったところで実際に使う分にはどうってことはないのですが(笑)、多少は役立つところもあるかもしれません。

 

では、はじめますね。

 

 

 

 

1.Anything you say.

意味:①おっしゃるとおりにいたします ②承知しました

 

I'll do anything you say.の略。

 

元は①の意味なので少し仰々しい感じもしますが、実際はそうでもありません。また、理不尽な要求に対して皮肉っぽく使われる場合もあります。

 

2.Allow me.

意味:①私に手伝わせてください、私にやらせてください ②私がしましょう

 

Allow me to help you.またはAllow me to do it.またはAllow me to try it.の略。

 

Let me help you.と言っても丁寧さはありますが、Allow me.はそれよりも更に丁寧な言い方なようです。

 

3.After you.

意味:お先にどうぞ

 

 I'll go after you.の略。

 

 人に道を譲る時の定番表現ですね。

 

4.Don't ask.

意味:何も聞かないで

 

Don't ask me anything.の略。

 

次の5.と似てますが意味が異なるので使い方に注意が必要です。

 

5.Don't ask me.

意味:①僕に聞かないでよ ②そんなこと知らないよ

 

Don't ask me about it[that].の略。

 

4.との違いに注意です。

 

6.Funny you should ask.

意味:奇遇ですね

 

 It's funny that you should ask that.の略でしょう。shouldは「~すべきだ、~なはずだ」の意味ではなく、感情を表す時に用いる用法。

 

 この表現は、今話そうかと思っていた話題について相手が訊いてきた場合や、相手が振ってきた話題がたまたま自分または自分に近しい人間に関わりのある話題だった場合に用いられます。

 

後者の場合は、例えば、「誰か良い家庭教師いない?」と聞かれて「奇遇だね!実は最近家庭教師のバイト始めてさ。今、生徒募集中なんだよね」といった場面ですね。

 

7.That's the attitude.

意味:①そうそう、その意気だ ②そうこなくっちゃ

 

That's the atitude I want to see.の略でしょう。

 

theがついているのは、話者が見たいと思っていた態度と、相手の現在の態度が一致しているからです。このように補って考えると、theがつく理由がよく分かりますね。

 

ところで、よく似た形にThat's the boy!(= Attaboy!)(「(男性に対して)よくやった!;その調子!」の意)があります。こちらは後ろに何か省略されているのではなく、boyにtheをつけてthe boyとすることで「典型的な男子像」を表した表現でしょう。いわゆる総称のtheですね(以下の例を参照)。

 

例)The tigar is becoming extinct.

「トラ(という種)は絶滅しつつある」

 

したがって、That's the boy!(= Attaboy!)を文字通り訳すなら「それでこそ男子というものだ」となります。That's the girl!(=Attagirl!)についても同じです。

 

8.You and what[whose] army? 

 意味:①おまえがか? ②やれるものならやってみな

 

映画やドラマのセリフで見かける表現です。"I'll get you for this!"(「覚えてやがれ」)のような脅し文句を言われたときに返すセリフであることを考えると、

 

You and what[whose] army are going to get me for this?

 

のような意味が省略されているのでしょう。to以下には相手の脅し文句がそのまま反映されると考えればいいと思います。

 

9.I'm game.

意味:その話、乗った 

 

まず、gameは形容詞であることに注意。その意味は”be willing to do something”です。

 

これは、"Do you want to eat out tonight?"(「今夜は外で食べない?」)などと聞かれたときに、こちらにその意志がある場合に使う表現。したがって、この場合であれば、"I'm game to eat out tonight."というのが一番の根底にあります。直接的には"I'm game for that."の省略表現と考えるのがいいかもしれません。

 

10.For here, to go?

意味:店内でお召し上がりですか?お持ち帰りですか?

 

これは一般に、Is this to eat here, or to go?の略とされていますが、もう少し考えてみましょう。

 

まず、”For here, to go?”のforはどこから来たのかという疑問が浮かびます。これは、最も省略された形である”Here, to go?”がヒントになると思います。

 

どういうことかというと、文頭がhereのみだと、余りに省略され過ぎていて”ぶっきらぼう”に聞こえるのではないでしょうか?そしてこの感じを緩和するために「~用、~向け」を意味するforが後からつけられたのだと推測されます。

 

次の疑問。なぜto goが「持ち帰り用の」という意味になるのか?これは、もともと"to go with you"だったのでしょう。商品が購入者に付随するということは購入者側の視点から見れば「持ち帰る」ということです。

 

その証拠に、以前【句動詞表現#17】にて次のような例文をご紹介しましたよね。

 

A swimming pool goes with the house.

「その家はプール付きです」

 

今回の表現もこれと同じ用法だと考えられます。

 

eigogakushu.hatenablog.jp

 

 大きな疑問点は、以上の2点ですが、ねこらいたー的にはもう一つ気になる点があります。それは、最初に挙げたIs this to eat here, or to go?のthisの後です。このあとにsomethingなどの名詞を入れた方が正確ではないでしょうか

 

まず、Is this to eat here, or to go?のままだと分かりにくいので、平叙文に直してみると、

 

This is to eat here, or to go.

 

となりますよね。"is to"の部分の解釈としてまず思いつくのが、いわゆるbe to不定詞の目的用法(「~は・・・するためのものだ」)ですが、その解釈だと奇妙な意味になってしまいます。

 

というのは、thisが指すのは購入者が頼んだハンバーガーなどのことですから、このままではハンバーガーなどの物が何かを食べるということになるからです。

 

他の考え方としては、sellが自動詞で「売れる」という受動態的な意味になるのと同じで、このeatも「食べられる」という意味なのではないかという考えも浮かびます。

 

確かにこの意味あれば物が主語であっても問題ないですが、実際には、物が主語で自動詞用法のeatが使われるときは「~の味がする」という意味であって、「食べられる」という意味ではないので、この解釈は不可です。

 

ここまでのことを考慮しますと、やはり、This is something to eat here, or to go.というように不定詞の形容詞用法が元の形と考えるのが自然です。というのは、この形容詞用法では、修飾する名詞が不定詞句内にある動詞の意味上の目的語である場合も許容されるからです。これは、例えば、

 

I'd like something to drink.(「何か飲み物をいたたきたいのですが」)

 

のto drinkと同じ使い方です。

 

ちなみに、This is something to eat here, or to go.の最後にあるto goとsomethingとの関係は意味上の主語になっています。

 

以上をまとめますと、私ねこらいたーが考える”For here, to go?”の元の形は

 

Is this something to eat here, or to go with you?

 

となります。

 

 余談ですが、The dessert was to die for.(「デザートが死ぬほど美味しかった」)といったときの表現もさきのbe toの部分が似ていますよね。しかし、こちらはThe dessert was something to die for.と考えるよりも、例えば、The dessert was good to die for.などのような形容詞が省略されたものと考えた方が良いように思えます。

 

もしこれが合っているなら、いわゆる「tough構文」に該当するので、It was good to die for the dessert.と書き換えることもできますね。

 

 

 

 

 

いかがだったでしょうか?

 

最後はちょい足しどころかガッツリ足している感じになってましたね(笑)

 

使われている単語はカンタンだけど、なぜこういう意味になるのか分からないという場合には、皆さんも元の文の形を探ってみるとすんなり解決するかもしれません。

 

今回はここまでです。

 

 

 ↓皆様の応援が励みになります。もしよろしければクリックをお願いいたします

にほんブログ村 英語ブログへ