get upと言ったらその意味は?【句動詞表現#1】
はじめまして、ねこらいたーと申します(= ̄ω ̄=)
英語が急に必要になり片っ端から丸暗記しているという人を見ると悲しくなります。
英語にもそれなりの理屈があるし、理解してからの方が楽しくできるのに....。
「調べて理解する? そんな時間ないわっ!」という人に贈りたい、ひとくち解説シリーズです。
第一回目のテーマは「get up(自動詞用法)」。
- get upと言ったら?
- ちょっと待って。方位詞って?
- get upのコアイメージは「~になる」+「上方へ」
- get upには、他にどんな意味がある?
- ③get up on the horseのget upと⑥get up ~との違いは?
get upと言ったら?
「『起きる』でしょ」と反射的に思ったら、要注意です。丸暗記学習になっているかもしれません。たとえば、他に「立ち上がる」という意味でもよく使いますよ。
getの核になっている意味(以下、コアイメージ)は「何かを手に入れる」こと。
そこから、「状態を手に入れる」というように拡大解釈されて「~になる」の意味になります。get upのgetの意味もこの意味です。
upは「上方に」がコアイメージの方位詞。
ちょっと待って。方位詞って?
いわゆる前置詞は副詞としても用いられますよね。でも、これらは便宜的な名前にすぎません。名詞の前にあって一つのまとまりになっていれば、前置詞。そうでなければ、副詞。それだけです。
でも、前置詞であれ副詞であれ、空間的な方向や位置を表すという点では共通していますよね。だから「方位詞」という方がわかりやすいと私は思います。
あとは不変化詞(パーティクル、Particle)なんて呼ぶ人もいますね。動詞のように-ingや-edが付いたりして形が変わることがないことからこのように呼んでいます。でもこの呼び方だと接続詞や感嘆詞なども含まれるので、個人的にはおすすめしません。
get upのコアイメージは「~になる」+「上方へ」
話を戻します。
先ほど確認したことを合わせれば、get upのコアイメージは「~になる」+「上方へ」となります。要するに、「(主語になっているものが)上方へと移動・運動した状態になる」ことです。なので、
◎上半身が少し上に移動・運動した状態になる
⇒①「起きる」 I got up at six today.「今日は六時に起きた」
◎上半身がさらに上に移動・運動した状態になる
⇒②「立ち上がる」 Please don't get up. 「どうぞ座っていて下さい」
◎上半身がさらにさらに上に移動・運動した状態になる
⇒③「登る、(馬・屋根などに)乗る」 He got up on the horse.「彼は乗馬した」
となります。
③はHe got up (上方への移動・運動) + on the horse (結果として馬に乗っている)とも分解できますし、あるいはget on ~(「(バス・自転車・馬など)に乗る」)という表現にupが挿入されて、「~に登るようにして乗る」という意味になったとも解釈できますね。
get upには、他にどんな意味がある?
そのほかの意味としては、次のようなものがあります。
④「(風、火、波などが)強くなる、(海が)荒れる」
日本語で考えても、風・火・波は強くなると、物を吹き上げたり、燃え上がったり、高波になったりと、どれも上方向に力が働くイメージがありますよね。これも、get upのコアイメージである「上方に移動・運動した状態になる」と同じく上方への移動・運動を表しており、コアイメージと一致しています。
As the sun went down, a breeze got up.
(Oxford Phrasal Verbs Dictionary for learners of English)
※「日が沈むにつれ、風が強くなった」の意
⑤「(北上して)(~へ)行く」
これも地球儀や地図を思い浮かべると、すぐに分かります。地球儀や地図では上側が北になっていますよね。これも上方への移動・運動を表しているので、get upのコアイメージとぴったりです。なお、この意味ではget up to <場所>やget up to doという形で用いられます。
I won't be able to get up there until Wednesday.
(Oxford Phrasal Verbs Dictionary for learners of English)
※「水曜日まではそこには行けないだろうね」の意
⑥「(丘や階段など)の頂上まで登る」
これは明らかに上方への移動・運動を表していますね。注意点として、この意味での方向詞upは文中では前置詞扱いとなります。なので、get the hill upという言い方はこの意味では不可です。文で出てくる方向詞が前置詞扱いなのか副詞扱いなのかを区別する方法については別記事で特集したいと思いますので、しばしお待ちください。
例)The kitten got up the hill. 「子猫はその丘を登った」
⑦「(馬などに対して)進め、加速しろ」
命令文のみで用いるやや特殊な英語です。この場合何がupするのか分かりにくいですが、恐らく「活気や内的なエネルギーを高めよ」ということに由来すると考えられます。これと同じニュアンスのupの使い方の例としては次のようなものが挙げられます。
例)cheer up(「元気を出す」), start up the engine(「エンジンをかける」)
また、「加速しろ」の意味ではget up speedという表現(【なるほど英語#3】にて扱っています)がありますから、こちらの表現の省略形とも考えられます。
③get up on the horseのget upと⑥get up ~との違いは?
③のところでも触れましたが、このget up on the horseという表現は、get on ~(「(バス・自転車・馬など)に乗る」)という表現にupが挿入されたと考えれば分かりやすいと思います。
というのはget on ~は「ヒョイッと乗る」というニュアンスが感じられるからです。つまり、段差がほぼないかあるいは頂上までの高さが少しだけあるものに対して使うと考えられます。そして、この「少しだけ高さがあること」を明確にしたいときにget up on ~を使うのです。
一方、ハシゴ・階段・丘・山のように頂上までの距離があるものは⑥のget up ~を用います。
これらを踏まえると、次のような表現ができるでしょう。
He got up the ladder but didn't get up on the roof.
「彼はハシゴを登ったものの、屋根には乗らなかった」
この場合ハシゴの一番上にいるため、そこから屋根へ乗り移るには大した段差はないとも考えられますから、後半部分はdidn't get on the roofと書くこともできますね。
ちなみに、get up the roofと書いた場合どういう意味になるか分かりますか?上記の説明を参考に少し考えてみてください。
・・・どうですか。すぐに分かったでしょうか?
そうです、「屋根の一番上まで登る」となりますね^^ さきほどのget up on the roofは「単に屋根に乗り移る」の意味ですから、似ているようで全く違います。
今回はここまでです。
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