気ままに英語あそび

「なぜこういう英語表現になるの?」納得するまで気ままに考えたい! 効率重視の時代に逆行する英語学習ブログ

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まとめて攻略!take to...その2~「take to the bottle」タイプ編~【句動詞表現#8】

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どうも、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=) 

 

前回のtake to...のつづきとなります。

 

今回は、「take to the bottle」タイプの表現について。

 

こちらもまとめて攻略してしまいましょう!

 

 

 

 

始めに

一応続きになっていますので、前回の「take to one's bed」タイプについてご覧になっていない方は【句動詞表現#7】を参照ください

 

eigogakushu.hatenablog.jp

 

 また、当ブログでの成句と句動詞の扱いに関しては以下の記事をご覧ください。

 

eigogakushu.hatenablog.jp

 

 

タイプ②:「take to the bottle」タイプでの考え方

 このタイプは、前回のタイプ①と異なりto以下に来る目的語が「モノ」や「行為」となっているのが特徴です。タイプ①では、身体という物理的な移動の観点で考えましたが、タイプ②ではもう一つの観点で捉えたほうが分かりやすくなります。説明が長くなりますが、お付き合い下さい。

 

「oneself = 自分の意識」と考えよう

こちらのタイプ②でも省略・消失しているのはタイプ①と同じoneselfと考えて

 

take oneself to....

 

と補えばいいわけなのですが、このタイプ②においては「自分自身の体を連れて行く」という物理的な移動というよりは「自分の意識を連れて行く」という精神的な移動考えた方が分かりやすいと思います。

 

そのように考える理由は?

 先にネタバレしますと「take to the bottle」というのは「酒に溺れる」という意味になります。bottleというのは酒の遠回し表現ですね。

 

さて、なぜこういった意味になるのかと考えたとき、この表現の場合には

 

自分自身の体を酒のある場所まで連れて行く ⇒ 酒のある所まで行く ⇒ つい酒に手が伸びる

 

のように、体の物理的な移動として考えても確かに分かりやすいのですが、次のような体の一部を含んだ表現では同じ説明ですとイマイチ分かりにくくなります。

 

take to one's legs[heels]

「急いで逃げる」

 

 そこで、この「take to the bottle」タイプにおいては、物理的な移動ではなく意識という精神的な移動と考えた方がより一貫した考え方で説明がつきます(例外もあり)

 

つまり、

 

 脚全体に意識を連れて行く ⇒ 脚全体に意識を向け力を入れる ⇒ 走り出す ⇒ 逃げる

 

のような流れで考えれば分かりやすくなります。

 

 

精神的な移動という観点は正しいの?

物理的な移動という観点でなく精神的な移動と捉えることのメリットは(多少は)分かっていただけたかと思います。

 

しかし、この観点って正しいの?と思われるでしょうから、状況証拠のようなものをご紹介しておきます。

 

学校英語では「come to」という表現がなぜかよく出てきましたよね。これも、元は「come to oneself」という意の古い表現だと考えられるのですが、実は同じ意味で「come to one's senses」(こちらも古い表現)という言い方もあるんです。

 

come toの部分は両者同じでsensesは「正気、意識」の意なので、素直に考えればcome to oneselfのoneselfにも同様のニュアンスがあることになります。

 

そんな単純なの?と思われるでしょうが、日本語でも「我に返る」と言いますよね。これを『広辞苑』で引くと、こうあります。

 

正気づく。意識を取り戻す。よみがえる。「はっと―」

 

 

つまり、「我」というのは理性的であり意識のある存在であって、無意識の自分は含まれていないということです。英語でもこれとほぼ同様と考えていいのではないでしょうか。

 

仮にこの考え方に従えば、take oneself to the bottleというのがtake to the bottleの元々の形とした場合、

 

自分の意識を酒に連れて行く ⇒ 酒を意識している ⇒ 酒のことばかり考えている ⇒酒びたりになる

 

となります。こちらの方が分かりやすくありませんか。

 

 

 タイプ②:「take to the bottle」タイプの成句

 さて、大変お待たせしました。本題の表現例です。特徴としては、何かに意識が行ってしまうという依存症の症状を表す成句が多いです。

 

take to the bottle

意味:酒に溺れる

 

bottleとは酒の遠回し表現。意識が酒に行ってしまうことから酒浸りという意が生まれたと考えられます。

 

take to drink[drinking]

意味:酒を飲むようになる

 

本来、drinkとは飲み物一般を表す不可算名詞。しかし、実際にはdrinkといったら酒(を飲むこと)を指す場合がほとんどです。意味の流れは上記のtake  to the bottleと似ていますが、ニュアンスとしてはこちらは「飲酒が習慣になる」といった感じなので、酒浸りをさすtake to the bottleのような悪い意味ではありません

 

take to the strunt

意味:不機嫌になる (『リーダーズ・プラス』より引用)

 

struntとはウイスキー、ブランデーなどのアルコール度数の比較的高い蒸留酒のことのようです。酒に意識が行くつまり酒が飲みたくなる時といえば、気分が落ち込んだときであることも少なくないですよね。あるいは、酒を飲んだ結果やたらと人につっかかったり暴力的になるような状況をイメージしてもいいかもしれません。いずれにしろ、良い意味ではないですね・・・。

 

take to one's legs[heels]

意味:急いで逃げる

 

 脚全体に意識を連れて行くことは脚全体を意識して力を入れることを意味します。そこから連想できるのは、走り出す=逃げるということです。take to one's heelsともいいますが、これは、ヒールを履いた女性がコケないようにかかとに意識を向け小走りで逃げるといった感じなのでしょうか。

 

take to ~ like a duck to water

意味:(アヒルが水に慣れるように)極めて自然に~に慣れる、すぐに~に慣れる

 

面白い表現です。『ジーニアス英和大辞典』では「(カモが水を好むように)きわめて自然に...に慣れる」とありますが、単純に考えて、この表現は「take to ~ like a duck takes to water」(likeは「・・・のように」の意の接続詞用法)の省略・消失形でしょうから、私の訳は少し変えてみました。

 

take to one's scraper

意味:①立ち去る ②逃げる

 

scraperとは靴の泥落とし(=ドアマット)や料理用のゴムベラのような「何かをこすって削り取るもの」のことです。この成句での意味は前者のドアマットのことでしょう。誰かの家から立ち去る時は必ず玄関を通りますよね。これが①の意味で、何かやましいことをして家から立ち去れば②の意味になります。これは意識の移動と考えるのは無理がありますね。素直に物理的な移動と考えた方がスッキリします。

 

余談ですが、skyscraper(「摩天楼」)のscraperも同じで「空をこするもの」というのが元の意味です。私の感覚ではこするというよりも「空に刺さっている」という感じですが・・・。

 

take to itself wings

意味:(羽が生えたように)消える、なくなる

 

これは鳥が飛び去る時の様子からの比喩でしょう。羽に意識を向けることは羽をバタつかせて飛ぶということ。飛ぶというのは、その場から消える・いなくなること。

 

itselfは恐らく体全体を漠然と指し、その後で具体的にwingsと言っていると考えられます。”What are you doing here in the woods?"(「あなた、こんな森の中で何やってるの?」)というように、大雑把な場所を示してその後で具体的な場所を言うパターンと同じですね。

 

take to flight

 意味:①逃走する ②俗世間から抜け出る (『ジーニアス大辞典』より引用)

 

これは、前回の【なるほど英語#7】に出てきた表現です。flightは「飛ぶこと」を指しますから、飛ぶことに意識を向けることを意味します。飛ぶということはその場からいなくなることなので、ここから①の意味が生まれたのでしょう。さらに、逃げる対象が俗世間となれば②の意味が出てきますね。

 

take to the silk

 意味:落下傘で脱出する (『リーダーズ英和辞典』より引用)

 

リーダーズによれば、これは軍隊用語。silkとは「パラシュート」のことです。これも意識の移動ではなく、物理的な移動と考えた方が分かりやすいかもしれません。つまり、備え付けのパラシュートの所まで行けば、それを使って脱出することになります。

 

ちなみに、なぜsilkがパラシュートの意になるかというと、初期のパラシュートの素材が絹であったところに由来しているようです。

 

take (to) the needle

 意味:薬(ヤク)をうつ[やる](ようになる) (『リーダーズ・プラス』より引用)

 

これも良い意味の表現ではありません。needleとは注射の遠回しな表現です。したがって、これは注射に意識が行くということであり、ここからヤクを打つという見方もできるわけです。

 

 ●take kindly to one's books

意味:学問が好き (『リーダーズ英和辞典』より引用)

 

最後にお口直しの表現です。このkindlyはお馴染みの「親切に、やさしく」の意味ではなく、「心から、喜んで、好意的に」の意味で用いられています。つまり、意識がまるごと本に向いているということ。本のことばかり考えていることからこの意味になるのでしょう。まさしく「本の虫」(=bookworm)状態ですね。

 

 

 

 

 

さて、いかがだったでしょうか。

 

あまりにも悪い意味で用いる成句が多いので、句動詞take to...の風評被害が起きそうですね(笑)。しかし、句動詞take to...自体は「~を好きになる、~を習慣として始める」などのニュートラルな意味です。

 

本当はこの句動詞自体もまとめてご紹介する予定でしたが、予定よりかなり長くなってしまったので次回にまわそうかと思います。

 

それでは、また。

 

 

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