まとめて攻略!sit onの成句【句動詞表現#32】
どうも、ねこらいたーです (= ̄ω ̄=)
今回のテーマは、sit on~を使った成句のまとめ。
では、始めましょう。
始めに
sitやonのコアイメージ或いはsit onの意味用法に関して詳細を知りたい方は以下の記事をご覧ください。
sit onの成句
1.sit on one's hands
意味:①拍手しない、賛意[熱意]を示さない ②何もしない、傍観する
これは、【句動詞表現#30】にて扱いましたね。文字通り、自分の両手の上に座ることに由来するという話でした。詳しくはそちらをご覧ください。
2.sit on one's rump[butt, behind, arse, ass]
意味:①(行動すべき時に)じっとしている、何もしないでいる ②だらだらする
これは【英語学習のヒント#2】にて詳しく扱いましたので、詳細に関してはそちらを参照ください。
3.sit on thorns
意味:絶えず不安を感じてビクビクする
thornとは「とげ」のこと。したがって、直訳は「とげの上に座る」となります。とげの上なんかに座ってしまったらずっとチクチクするでしょうから、そこからの比喩でしょうね。不安というトゲが絶えず心をチクチクと刺してくるのです。
4.sit on the bench
意味:①裁判官の席に座る ②審理中である
benchというのは勿論「長椅子」のことですが、実はこの他に「裁判官席」「法廷」という意味があります。これらは、裁判官が座る場所が長椅子だったことに由来するのでしょう。
続いて②。裁判官が席に座って何をするか考えれば、①から②の意味が派生するのはごく自然なことですよね。実はこれ、換喩(メトニミー、metonymy)と呼ばれる比喩表現の一種で、先行する行動(または状況)が後続する別の行動(または状況)を表すパターンなんです。
日本語の例でいえば、「箸をつける」という表現が間接的に「食べる」ことを表すのと同じ構造です。というのも、口に物を運んで食べる前には必ずその食べ物に箸を接触させる(=箸をつける)必要がありますよね。つまり時系列的には、
箸を食べ物に接触させる(=「箸をつける」の文字通りの意味)
↓
その食べ物を口に運んで食べる(=「箸をつける」が間接的に表す意味)
となっているはずで、このような「隣接した関係」に着目したのが換喩(メトニミー、metonymy)なんです。
詳しくは以下の記事にてまとめてありますので、よければご覧ください↓
5.sit on the fence
意味:どっちつかずの態度をとる、日和見する
これも明らかに比喩ですが、かなり分かりやすい部類です。この場合のfenceとは、相反する2つの勢力のちょうど境界を意味していると理解しておけばいいでしょう。
6.sit on (both sides of) the hedge[rail]
意味:どっちつかずの態度をとる、日和見する
上のsit on the fenceと同じ意味です。hedgeとは「生垣」のことで、転じて「境界」の意味にもなります。
railは辞書的な意味は「手すり」ですが、実際にその語が指しているのは柵のことなのでしょう。というのは、日本の柵だと柱と柱の間が短いものを想像してしまいますが、ここでいうfenceというのは下の画像にあるような柱の間がかなり空いているものと考えられるからです。
このような柵であれば、柱と柱の間を横に貫いている部分は「手すり」と見なすことも可能でしょう。
7.sit on somebody's tail / sit on something's tail
意味:誰か[何か]の後ろにぴったりとついたまま、ついて行く
これはほぼ文字通りの意味ですが、この場合、「~の尻尾の上に座る」と解釈してしまうとよく分からなくなります。
実はこのtail自体の意味が既に比喩となっていて、「(物の)後部;真後ろ」という意味です。また、sitも「座る」ではなく「位置する」の意味で用いられていると考えるべきでしょう。したがって、「~の真後ろに位置する」というのがこの成句の直訳となります。
この直訳からであれば、上記の意味はほぼ文字通りとなるわけです。
8.be sitting on a fortune[gold mine]
意味:①(自分では気づいていないが)非常に貴重なものを持っている ②宝の持ち腐れである
これは通常、進行形で用いられることに注意。
意味に関しては、ほぼ文字通り。「財産(あるいは金鉱)の上に座っている」ということなので、燈台下暗しに近い感じですね。
また、②の意味は①を悪い意味に捉えたもの。
9.sit on a volcano
意味:一触即発な雰囲気の場にいる
分かりやすい比喩です。いつ噴火するかわからないような火山の上にいるというのは、まさしく一触即発の場にいることになりますよね。
残念ながら頻度は低いようですが、面白い表現なのでご紹介しました。
10.sit on one's laurels
意味:既に得た栄誉に甘んじて何もしない、成功に甘んじて何もしない
これも意味はそのままですが、面白い表現です。laurelsというのは「月桂冠」のこと。複数形になっているのは、月桂冠は何本もの月桂樹の枝葉から作られているためです。
直訳だと「月桂冠の上に座る」ということですが、【句動詞表現#30】で見たように、sitには「じっとしている」という意味もあることを考えれば、より正確な直訳は「月桂冠の上でじっとしている」となるでしょう。
日本語でも「過去の成功にあぐらをかく」などと言いますよね。これと似た発想の表現として考えていいと思います。
さて、今回はいかがだったでしょうか。
日本語とよく似た発想をするものも意外とあって、割と覚えやすい気がします。
では、また。
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