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英語の慣用表現攻略のカギ! 比喩の3類型って?①~隠喩(メタファー)編~ 【英語学習のヒント#6】

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こんばんは、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)


皆さんの中にも、英語の慣用表現を学ぶ際に「なぜこの意味になるんだろう?」と思ったことがある人が少なからずいるのではないでしょうか。とくに句動詞などの多義表現では、文字通りの意味と乖離していたりするため、結局その意味になる理由もよく分からないまま暗記してしまいがちです。

 

そこで有用なのが3つの「比喩」という視点です。学校英語では、多義表現をこの観点から体系的に解説してくれることはなぜか殆どなかったと思いますが、この視点を意識するだけで、雑然として見える多義表現などがかなりスッキリ見えてきます

 

第1回目となる今回は、このうちの「隠喩(メタファー)」についてご紹介していきます。

 

 

 

3類型とは?

隠喩(メタファー)換喩(メトニミー)提喩(シネクドキ)の3つを指します。これら3つは英語の多義語の仕組み、つまり文字通りの意味からの意味の拡張に関係していると考えられ、その意味で重要な考え方といえます。

  

なお、比喩というと「直喩」が有名ですが、直喩は慣用化しているものを除けば分かりやすく、また多義語の仕組みにもあまり関係しないので今回の一連の話ではメインテーマとしては扱いません(慣用化している直喩表現については後ほど少しだけ説明します)。

 

 

隠喩(メタファー、metaphor)って?

隠喩 イメージ

図1 隠喩のイメージ

隠喩(メタファー、metaphor)とは、2つの事柄の「類似性」に基づいた比喩表現のこと。

 

まずは日本語の例から見ていきましょう(青文字部分は比喩を示す。青文字のないものは比喩ではなく通常の文。以下同じ)。

 

1)彼女はもち肌

2)その子どもはリンゴの頬っぺたをしている

3)じっくりと名曲を味わう

 

上の図1から分かるように「もち(餅)」と「彼女の肌」がよく似た性質(図1の黄色部分)をもっていますよね。1)ではここに着目し、直接的に「白く、弾力があり、なめらかで、またキメも細かい肌」と言う代わりに、それらの性質をもつ「もち」を使って「もち肌」と言い換えています。

 

このように隠喩を使うことで、比喩を用いず直接的に言った場合よりも簡潔で引き締まった表現にすることができます。

 

以下同様に、2)は「リンゴの赤さ」と「子どもの頬の赤さ」に類似性を見出した言い方。また、3)は「食べ物の味を舌で感じること」と「意識を集中させて音楽を聴くこと」が似ていることに注目した表現となっています。

 

では、次に英語の例を見ていきましょう。

 

4)My father is an early bird

      (うちの父は早起きです)

5)You're chicken!

      (臆病者!)

 

この2つは名詞レベルでの隠喩です。4)は、日本の学校では必ずと言っていいほど習うのでご存知の方も多いでしょう。これは、”The early bird catches the worm.”(「早起きは3文の得」)という有名な諺に由来すると考えられます。5)については、日本語でも「このチキン野郎!」などと言いますから、分かりやすいメタファーですね。

 

6)sit on the fence

       (どっちつかずの態度をとる、日和見する)

 

一般にfenceというのは、ある場所とその隣の場所とを分けるものです。言い換えれば、2つの場所の「ちょうど中間」にあるといえます。一方で、相反する2つの勢力のどちらにもつかずに日和見している人々の様子もまた2つの勢力の「ちょうど中間」にいるといえますよね。6)ではこれら2つに共通する「ちょうど中間」のイメージに着目しているわけです。

 
7)a.Our plane took off on time. 

          (私たちが乗った飛行機は時間通りに離陸した)

       b. Haruki Murakami's new book has really taken off.

           (村上春樹の新刊は非常に好調だ)

 

7-b)は「人気になる、売り上げが伸びる」の意味ですが、これがもつ「上昇」のイメージが、7-a)「離陸する」に含まれる「上昇」のイメージと一致する点に注目した表現です。

 
8)a. All of them called for Craig's resignation. 

   (彼ら全員、クレイグ氏の辞任を要求した)

       b. This calls for a celebration!

          (これは、お祝いしないと!)

 

8-b)の call for~は「(モノが)~を必要とする、要求する」の意味。これは8-a)「(人が)~を要求する」の主語を「モノ」に変えたものであり、擬人化した表現です。そして、実はこの擬人化(擬人法)は隠喩の一種です。

 

例えば「風が私の頬を撫でた」という表現を考えてみましょう。当然ですが風には手がないので、明らかにこれは風を擬人化した表現といえますね。では、そもそもなぜ擬人化が可能なのでしょうか?それは、モノが引き起こす現象と人の動作との間に類似性があるからです。今考えている例でいえば、「風が頬に当たる感触の柔らかさ」と「手で撫でるときの感触の柔らかさ」に類似性が見い出せるため、擬人化が可能となります。

 

 

直喩(シミリ、simile)との違いって?

よく耳にする直喩(シミリ、simile)との違いは「のように」「まるで」といった比喩であることを明示する語句があるかないか、です。つまり、これらの語句があれば直喩、なければ隠喩ということになります。英語において比喩であることを明示する語句は、as if SVlike~(前置詞・副詞・接続詞のlike)、as~as...などが該当しますね。

 

なお、直喩表現は一般には分かりやすいものの方が多いですが、中には直喩であってもなぜその意味になるのか理解できないような表現も存在します。そのような表現は文化的価値観や逸話、あるいは映画のセリフなどが元になっている場合も少なくないため、比喩自体の難しさとはまた別の話になります。参考までに例を3つ挙げておきます。赤字部分が問題の箇所です。

 

●as cool as a cucumber  「とても冷静な」

●as fit as butcher's dog  「とても健康な」

●as happy as Larry  「とても幸せな」

 

 

編集後記

いかがだったでしょうか。

 

今回扱った「隠喩」は割と馴染みがある比喩でしょうから、比較的理解しやすかったと思います。逆に残りの2つの比喩は一般的にはあまり聞きなれないものなので、その意味で今回は”肩慣らし”的な回になっていたかもしれませんね。

 

では、また。

 

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