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実は「句」の分類は2通りある?【英文法#2】

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こんにちは、ねこらいたーです(= ̄ω ̄=)

 

【英文法#1】では文法用語の整理をしてみましたが、その中で「句」というものが出てきたと思います。

eigogakushu.hatenablog.jp

 

実はこの「句」という分類には2通りの考え方があるんです。

 

そこで、今回はその2通りの考え方について整理してみます。

 

 

 

 

 

学校英文法でいう「句」とは?

 学校で習う名詞句・形容詞句・副詞句というのは、結局「他の語句を修飾するか」「名詞を修飾するのは名詞かそれ以外か」というような「修飾」という観点で分類したものなんです。。

 

ときどき文法書などの「句」についての説明で、「機能的観点」といった用語を見かけますが、これも「修飾」とほぼ同一の観点だと考えていいでしょう。

 

 

もう一つの「句」とは?

 上記のような「修飾」の観点から見た「句」は、その判断基準として「他の語句を修飾するか」とあることから分かるように、文中の他の要素との関係によって決められたものでした。

 

他方、もうひとつの観点からみた「句」では文中の他の要素との関係は全く考えないんです。では、どうするかというと、句を構成する品詞に注目して分類します。

 

実は、この分類は、知らず知らずのうちに多くの人が(特にネット上の英語解説で)使っているのですが、どういう観点で分類しているのかキチンと説明している人は少ないですね。また、言語学などでもこちら側の観点で句を扱っています。言うまでもなく、もっと定義が精密ですが・・・。

 

では話を戻して、以下の例文を見てください。

 

(1)Tom is a kind man. <名詞句>

   「トムは親切な人です」

(2)To take a walk every day is good for you. <不定詞句>

   「毎日散歩するのはいいことです」

(3)Taking a walk every day is good for you. <動名詞句>

     「毎日散歩するのはいいことです」

(4)Your brother is under the tree. <前置詞句>

   「君の弟はあの木の下にいるよ」

(5)I went to the library to borrow some books. <不定詞句>

   「本を借りに図書館へ行きました」

(6)I don't have any friends to play with. <不定詞句>

   「私には遊ぶ友達がいません」

(7)The dog on the table is sleeping. <前置詞句>

     「テーブルの上にいる犬は眠っています」

(8)I'm very fond of cats. <形容詞句>

   「ネコが大好きです」

 (9)She got some books. <動詞句>

           「彼女は本を何冊か買った」

(10)I pronouced the word very slowly. <副詞句>

    「その単語をゆっくりと言った」

 

(1)は学校英文法で用いる「修飾」という観点で見ても「名詞句」になるので、表面上は違いが分かりません。一方で、(2)や(3)は「修飾」という観点でみると「名詞句」になるはずですが、そうなっていませんよね。ここに明確な違いがあります。

 

つまり、もうひとつの観点では、句を構成している語句の中で句全体をまとめていると考えられる語の品詞を取り出して「〇〇句」と名付けているんです。

 

だからこそ、(2)ではto takeという不定詞が句全体のまとめ役になっていると考えて「不定詞句」となり、(3)ではtaking という動名詞が句全体のまとめ役になっていると考えて「動名詞句」という分類になります。

 

この分類法の特徴は、呼称に含まれている品詞はその句の中に必ず存在するということです。例えば、「不定詞句」なら不定詞、「名詞句」なら名詞、「前置詞句」なら前置詞がそれぞれの句の中に絶対にあります。これは「修飾」の観点から見た「句」とは大きく異なる点です。

 

実際、「修飾」の観点から見た場合には(6)、(7)はどちらも直前の名詞を修飾しているので「形容詞句」に分類されますが、その句の中には形容詞は存在していません

 

 

2つの観点から分類できる「句」。それぞれ名づけるなら?

 先ほど述べたように、修飾の観点からみた「句」は文中の他の要素との関係によって決められるものなので「修飾関係としての句」あたりがいいのではないでしょうか。

 

一方、もう一つの観点では、文中の他の要素との関係は一切考えず内部の要素のみに注目するので、ただの「」または「内部関係としての句」とでも呼ぶのがよさそうです。

 

 

一見よさそうな「内部関係としての句」。しかし.....

何でもそうですが、一見すると良さそうに見える「内部関係としての句」にも問題点があります。

 

例えば、上記の説明で「不定詞」という言葉が出てきますが、実際にはこれは品詞ではないですよね。というのも、正真正銘の品詞である名詞、形容詞などは1単語単体でも名詞、形容詞ですが、不定詞は必ずto doというように2語以上のものですから統一性がないと言わざるをえません。

 

また、what to doのような「疑問詞+不定詞」の形も「内部関係としての句」に当てはめようとすると、やっかいです。なぜなら、不定詞のみならず疑問詞も正確には品詞ではないからです。なので、「疑問詞句」などという呼称は、妥協してそう呼んでいるわけです。

 

 このように学校英文法では名称の定義があいまいでかなり流動的な所があるということも、英文法嫌いを増やす一要因になっているのではないでしょうか。

 

 

まとめ

◎「句」の分類には「修飾関係としての句」と「内部関係としての句」の2通りある

◎「修飾関係としての句」とは、文中の他の語句を修飾するかどうかという観点の分類

◎「内部関係としての句」とは、句の中のまとまり役に注目した分類

◎実は「内部関係としての句」は知らないうちに多くの人が使っている分類。言語学でもこの観点に立っている

◎一見良さそうな「内部関係としての句」だが、問題も多い

 

 

 

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